『 解の公式は導くもの 5 』
○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 4 』 の宿題 )とその解答
次の x の方程式 ax²+bx+c=0 を解きなさい。
(解答)
ax²+bx+c=0 ・・・・・① とおくと
a = 0 のとき、
① は bx+c=0 となり、
これを解くと x=-c/b
a ≠ 0 のとき、
① を解くと
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a
以上より、
(答え) a = 0 のとき x=-c/b , a ≠ 0 のとき x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a
解の公式を導くときの前提は ax²+bx+c=0 という x の方程式だけでなく、
[ a ≠ 0 ] もあることをお忘れなく。
この問題は、前提 [ a ≠ 0 ] がないので、
a = 0 のとき と a ≠ 0 のとき で 場合分け が必要となります。
a = 0 のとき、①は x の1次方程式になり、
a ≠ 0 のとき、①は x の2次方程式になる。
当たり前ですが、問題を解くとき、前提を十分に把握することが、大切です。
○ 解の公式の意味は? 2
解の公式そのものの意味をいま少し考えてみます。
「 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a である。」の意味は、
「 2次方程式の解は、分母が { 2次の係数 } の2倍 で、
分子は マイナス {1次の係数} プラスマイナス
ルートの中は
{ 1次の係数の2乗} マイナス {2次の係数と定数(項)の積の4倍} になる。」である。
これは、数式を言葉で表現しています。情報量はゼロではありません。
(認識した内容があります)
「 ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a である。」の意味は、
「 x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a の部分 (b²-4ac) は、
ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の { 解の個数 } と { 解の種類 } を決める。」である。
これは、意味「 2次方程式の解は、係数と定数(項) から成る。」よりも情報量が多いかな。
(認識した内容プラス判断)
解の公式そのものの意味を考えることは、
その適用範囲を考えることでもあり、解の公式から派生するものがあることを知ることです。
解の公式は、覚えて代入して計算するだけのものでなく、
その意味を考えることが、
解を求めるのか、解と係数の関係を考えるのか、解を判別するのか
2次方程式の問題について、
判断するきっかけを与えてくれます。
2次方程式だからといって反射的に公式を使うのではなく、判断して公式は使いたいものです。
○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 5 』 の宿題 )
ax²+bx+c = 0 [ a ≠ 0 ] の解をα, β とするとき、
α+β と αβ の値を求めよ。
解答は、補講 『 解の公式は導くもの 6 』に掲載します。