『 平方根のある問題から学ぶこと 9 』
◎ ( 平方根のある問題から学ぶこと 8 の宿題 ) と その模範解答
(書き換えた文) の正誤を判断してください。
公式を覚えたら、できる。
⇔ 公式を覚えたなら、問題を解くことができる。
⇔ 公式を覚えている ならば 問題を解くことができる。
⇔ 公式を覚えていること は 問題を解くことができること である。
⇔ 公式を覚えている者 は (公式を使う) 問題を解くことができる者 である。 ( 書き換えた文 )
次の3つを利用してもよい
○ ( 書き換えた文 ) の逆
(公式を使う) 問題を解くことができる者 は 公式を覚えている者 である。
○ ( 書き換えた文 ) の裏
公式を覚えていない者 は (公式を使う) 問題を解くことができない者 である。
○ ( 書き換えた文 ) の対偶
(公式を使う) 問題を解くことができない者 は 公式を覚えていない者 である。
(模範解答)
逆 の文 は、問題を解くことができる生徒の解答用紙を見ることにより、事実認識できる。
問題を解くことができる生徒の解答を見ると、
その解答の中で公式が使われていることがわかる。
公式を使うことができるなら、公式を覚えている。
ゆえに、問題を解くことができる者は、公式を覚えている者である。
だから、逆 の文 は正しい。
よって、裏 の文 も正しい。 ( ∵ 裏 は 逆の対偶 にあたるから )
対偶 の文 は、問題を解くことができない生徒の解答を見るだけでは、事実認識できない。
問題を解くことができない生徒の解答を見ても、
その解答が白紙ならば、公式を覚えているかどうかわからない。
そこで、事実を認識するため、
問題を解くことができない生徒に、公式を書き出してもらうか 口頭で公式を言ってもらう。
私の経験では、
問題を解くことができない生徒の中には、公式を覚えている生徒 もいました。
反例 : (公式を使う) 問題を解くことができない者のなかに 公式を覚えている者 がいる。
対偶 の文 は誤り。
よって、もとの文
「公式を覚えている者 は (公式を使う) 問題を解くことができる者 である。」も誤り。
☆ 「 公式を覚えたら、問題を解くことができる。」は誤り
私の経験に基づいた事実。
1970年代位まで「公式を覚えていないと、問題は解けない。」と、
学校の先生のほとんどは言っていました。
むしろ、誰に教えてもらったのか、生徒の中に「公式覚えたら、問題 解ける。」と
言う もの がいました。しかし、そのように言う生徒すべてが、問題を解けたわけではありません。
1980年代以降、「公式覚えたら、問題は解ける。」と言う学校の先生が登場。
その後、この誤った表現を使って指導する学校の先生が生まれ育って来ています。
学校の先生のなかには、「 公式を覚えたら、できるから、公式 覚えなさい。」と指導する先生がいます。
「 速さの公式3つ覚えたら、速さの問題は解ける。」と言う小学校の先生もいます。
さらに、「 速さの公式3つ覚えなくても、{は・じ・き}1つを覚えたら、速さの問題は解ける。」
と言う小学校の先生もいます。
「 E=IR , I=E/R , R=E/I 」 を覚えるように指導する中学校の理科の先生がいます。
この先生は、E=IR だけを覚えて等式変形 (等式の性質を利用)する生徒に 次のように言いました。
「 理科で数学 使って、何考えてるんや。3つの公式 覚えていないと 解けない問題 出す!」と。
この理科の先生は、『公式』というものをまったく理解していません。
昔、4月の最初の授業で、
「次の授業までに、
v=v₀+at , x=v₀t+(1/2)at² , v²-v₀²=2ax をそれぞれ100 回ノートに書いて覚えて来い。」、
「 この公式なんで成り立つか わしにもわからん。わからんでもノートに100 回書いて覚えて来い。」と
言う公立高校の物理の先生がいました。
この発言を聞くやいなや、「 この先生の言うこと、よくわかる 」 とひとりごとを言った同級生は、
本人いわく公式を完璧に覚えてきて 次の授業前 私に 言いました、
「 ( ひ イコール ぴ プラス エイティ ) の ( ぴ ) の 「まる」 の場所 下とちがって上やろ!」と。
当然、この同級生は、v は速度、 v₀ は初速度、 a は加速度、 t は時間、 x は変位(移動距離)
ということまで覚えていません。
公式の意味がわからないから、この3つの公式を適切に使うことができませんでした。
公式を覚えても、公式の意味がわからないと 公式が使えないのです。
「公式覚えたら、できる。」 という誤った表現は、どうやら小中高生の心を惹きつけるようです。
単純でわかりやすく、覚えるだけで簡単に出来るようになる と思い込ませる力をもった表現のようです。
特に、「速さの公式3つ覚えなくても、{は・じ・き}1つを覚えたら、速さの問題は解ける。」という表現が
お気に入りの生徒は多く。生徒の中には、わざわざ私に次のように教えてくれる生徒もいました。
「先生は知らないと思うけど、
『 公式3つ覚えなくても、{は・じ・き}1つを覚えたら、問題 解ける!』 と
小学校の先生が教えてくれた」と。
この中2の生徒は、{時間}を求めるところで、{速さ}と{距離}をかけていました。
{は・じ・き}の関係までは、覚えていないのでしょう。
Aさん (ブログの他者から学ぶ第1・2・3号) は、活字を音無しで覚えようとするため、
{は} は 速さ、 {じ} は 時間、 {き} は 距離を表していることは覚えられず、
当然 {は・じ・き}の関係も覚えられないため、
「{は・じ・き}、聞いたことあるけど、なんのことかわからんかった。」と言っていました。
誤った表現を使って指導する先生も指導される生徒も、
「公式を覚えたら、できる。」 という表現に、強く完全な因果関係を求めているのかもしれません。
(「公式を覚える」という原因から「問題ができる」という結果が必ず生じる。)
しかし、常に因果関係を成り立たせるためには、できるかぎり細かく詳しく段階をふむ緻密さが、必要です。
原因から結果につながるプロセスを大切にする必要があります。
道具や機械は、できるかぎり 常に因果関係 が成り立つように、設計・製造され、
そして必ず手入れやメンテナンスが行われます。
(常にうまく加工・製造できるように、不良品やロスができるかぎり出ないように)
公式を覚えても、使えないことがあります。
{公式を覚えること} と {公式を使うこと} は 同値 ではありません。
{公式を覚えること}は、{公式を使う}ための十分条件でなく必要条件です。
問題を解くには、公式を覚えるよりも、公式の意味を理解し公式を使うほうが大切です。
○ (平方根のある問題から学ぶこと 9 の宿題)
次の8式を適切に並び替えて、2次方程式の{解の公式}の導出過程を示しなさい。
また、[ ] に適切な条件(式)を入れなさい。
ax²+bx+c = 0 [ ]
x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a
ax²+bx =-c
( x+b /2a )² = (b²-4ac) /4a²
x =-b /2a ±√(b²-4ac) /2a
x²+( b /a ) x =-c /a
x+b /2a = ±√(b²-4ac) /2a
x²+( b /a ) x+( b /2a )² =-c/a+( b /2a )²
解答は、補講 『 解の公式は導くもの 』 に掲載します。