いつどんなきっかけでこの本を読みたいと思ったのか
正直思い出せません。
でも読みたい本リストにメモしていたこと
そして昨年6月に刊行されたばかりの本だったことから
きっと最近のどこかで心に引っかかったのだと思います。
小林エリカさんの『おこさま人生相談室』。
この本は大人の悩みに子どもたちが答えるという
ちょっと不思議で、でもとてもあたたかい一冊です。
悩みの内容はとても真剣なものばかりです。
将来のこと、生活のこと、人間関係、気持ちの持ち方…
読んでいるうちに
「あ、これ、自分の悩みに近いかも」と思うものが
いくつもありました。
その悩みに答えてくれるのは
5歳から11歳くらいまでの子どもたちです。
どの答えも驚くほどまっすぐで、純粋で、シンプルでした。
経験を重ねるほどに悩みの周りに余計なものを
たくさんくっつけてしまっている自分に気づかされます。
子どもたちの言葉はそんな絡まった思考を
ほどいてくれるようでした。
しかもその答えのどれもがあたたかくやさしいのです。
見放すような言葉はひとつもなく、どれも前向きで
思いやりにあふれていました。
10歳前後の子どもにもしっかりとした考えがあり
悩みに向き合う力があることに尊敬の気持ちすら抱きました。
たとえば
「今の仕事にやりがいを感じられない。でもお金は必要」
という悩みに対しては
「自分が人のためになるようなことしていますか?」
という答えが返ってきます。
はっとしました。
安定や終身雇用といった大人の感覚にとらわれて
今の仕事に固執してしまう気持ちに対して
「今の仕事だけがすべてではないのでは?」と問いかけられて
いるようでした。
もっと自分が幸せを感じられることを考えても
いいのではないか、そんなふうに受け取りました。
また「他人と比べて劣等感を感じてしまう」という悩みに対しては
回答してくれたお子さん自身の経験も交えながら
「人は人、自分は自分。泣いちゃうかもしれないけど
次もまた頑張ろう」と語ってくれました。
小さな体できっと傷ついた経験もしてきたんだろうな…と思うと
胸が熱くなりました。
なんて強くてやさしい子なんだろうと
思わず目頭が熱くなりました。
子育てに関する悩みに対しても
「ギュッとしてあげて」「ゆうきとやさしさをだしてほしい」
といった答えが寄せられていました。
きっと自分が親から受けた愛情を
自分の言葉で伝えてくれているのだろうなと思うと
なんとも心が温かくなりました。
そして私自身の悩みにも重なる質問がありました。
「オンライン授業が苦手な娘が授業を受けたがらなくなってしまった」
という相談です。
私もZoomがいまだに苦手で顔出しするのが嫌だなと
思うことが多くあります。
だからこそこの質問には特に注目して読みました。
その答えは
「自分の映っている画面は見ない。返事する」。
なるほど!と思いました。
先生の顔や話に集中してリアルな授業のように受ければいい。
自分の映る画面や他の参加者の顔ぶれに気を取られていた
自分にとってこの発想はとても新鮮でした。
自分対先生、本当の授業を受けていると思えばいいのだと
気づいたとき少し気持ちが軽くなったのです。
あとがきには
「子どもっぽい答えを期待していた部分もあった」
と書かれていました。
けれど実際には大人が納得するような見事な回答ばかり。
しかもどれもやさしさにあふれていて
読んでいて何度も心がほっこりしました。
悩みってもしかしたらもっとシンプルなものなのかもしれない。
そんなことを子どもたちの言葉が教えてくれた気がします。