ここ数年、仕事の中で自然と「進める側」に立つ場面が

増えてきたように感じます。
管理職ではないものの経験年数や年齢の影響もあってか、

人やプロジェクトの流れを見渡しながら動くことが

求められる機会が少しずつ増えてきました。

以前は、まず自分の役割をきちんと果たすこと、

それが最も大切だと考えていました。
けれど最近では、自分一人の動き方だけでなく、

周囲との関係性や場の雰囲気が成果や手応えに大きく

影響していることを実感するようになりました。

そうした中でこの本を見つけました。
そのタイトルから目立つ言動ではなく、

水面下の思考や配慮にこそリーダーシップの本質がある

という視点に興味を持ちました。
もしかすると私が日々の業務の中で漠然と感じていた

「何か足りないもの」は、こうした見えにくい部分にこそ

あったのかもしれません。

うまくいっているように見える人たちは裏でどんな工夫や

配慮をしているのか。

反対に、なぜかチームがまとまらない時、何が足りなかったのか。

そんな問いに、ひとつずつ丁寧に答えてくれているような一冊でした。

読み進めながらこれまで出会ってきた上司や先輩方の姿が

次々と思い出されました。

人柄として好印象だった方がなぜかチーム全体の動きには

つながらなかったこと。
逆に言葉数が少なくても、周囲に信頼感を生んでいた方もいました。
その違いが、行動の背後にある「見えない配慮」の有無によるもの

だったのかもしれないと思うと、当時の出来事がまた違った意味を

持って見えてくるような気もしました。

また自分自身に目を向けたとき、無意識のうちに一人で抱えすぎてしまう

傾向に気づかされました。
全体の流れを整えたり、人の力を引き出したりするには

もっと周囲を信頼し、巻き込んでいくことが必要なのだと感じました。
そのためには自分自身の状態を安定させておくことも

不可欠なのだと思います。

この本では言葉の選び方や時間の管理、さらには心身の整え方

にまで言及されており、

リーダーシップとは決して特別な資質ばかりを求められるのではなく、

日々の小さな積み重ねや意識の持ち方でも影響が大きいのだ

ということを教えてくれます。
特に印象に残ったのは

「自分を整えることは、他者と向き合う準備でもある」

という考え方でした。

人として成長し続ける努力、研鑽の大切さ、

自分の感情のコントロールの仕方をよく知ることが

リーダーとして必要な準備である、というのは

もっともっと自分という器を大きくしていかないと

いけないなと思いました。

連休が明け、また新しい日常が始まろうとしています。
慌ただしい中でも自分の内側に静かな軸を持ちつつ、

関わる人たちとの関係を丁寧に育てていきたいと思います。