先日、大変興味をひかれる本を手に入れました。
『正しく生きる ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯』です。
この本の中では、
①ケーズデンキ、ヤマダ電機、コジマによる北関東を舞台にした「北関東家電戦争=YKK戦争」
②ヤマダ電機の全国制覇とコジマの敗退
③ケーズデンキの「無理しない頑張らない経営」
など、家電量販店の登場から成長までについて書かれています。
①②③テーマの中で、今一番興味があるのが「③ケーズデンキの『無理しない、頑張らない経営』」です。
長時間労働が問題になり、「働き方改革」が問われています。
日本の高度成長期からバブル時代、そして平成不況から現在まで、有休も満足にとらず日本人は頑張って働いてきました。
そんな社会で、ケーズデンキは創業以来「無理しない、頑張らない経営」を実践しているようです。
流通の大型店は、家電量販店から各種専門量販店まで、勤務状態が過酷だという噂があります。
店長は、朝1番に店に出社して、閉店後最後に退社するといったこが言われたりしています。
ケーズデンキの「無理をしない、頑張らない経営」とは、「従業員を頑張らせる」のではなく、「無理しなくても利益が出る」「まじめにやれば誰でもできる仕組み」による「ローコスト経営」のようです。
「いかに費用をかけずに経営できるかが強さを生み、安定成長につながる」として、人件費を削るのではなく、機械化投資で人件費を少なくする経営です。
この「無理しない精神」は、ケーズデンキの創業者が太平洋戦争の中国戦線で死ぬかもしれないと思った時の体験から生まれたみたいです。
「無理しない、頑張らない経営」は成功しています。
家電量販店の売上ランキングをみると
1位 ヤマダ電機 1兆6005億円
2位 ビッグカメラ 8078億円
3位以下は7000億円台で、ヨドバシカメラ7530億円、ケーズデンキ7373億円 エディオン7205億円と混戦になっています。
ケーズデンキ7373億円、見事ベストファイブに入っています。
「無理しない、頑張らない経営」は、すべて従業員の幸せを考えてのことだそうです。
1980年、ケーズデンキは、会社で定年まで働けば退職時にひと財産できる持ち株制度も始めています。
全社員に一度会社を辞めてもらい、その退職金で自社株を買うといったやり方で「持ち株制度」をはじめています。
結局、「働き方改革」は、従業員をいかに大切にするかです。
従業員を大切にしようとすれば、残業時間も少なくなり、正社員と非正社員の給料格差もうまれないでしよう。
「働き方改革」も実現できます。
「正しく生きるケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」の本では、戦後の家電販売業界の歴史を学べます。
「ビジネス成功者の仕事ゲーム」を制作するつもりです。