彼女にとって、再婚前はただの浮気ですむが、再婚後では不倫になってしまうという思惑で僕と関係したのだろう。
後年に経験する『混浴風呂のアバンチュール』では、宿泊先で妹夫婦にあてられた独り身の姉が刹那的に僕と関係した。
動機は様々だが、僕にとっては、女性が開放的な心境になる非日常の温泉旅行ならではチャンスだったのだ。
「そうなら、グッドタイミングで貴女達と知り合えたのだ。僕にとっても旅先でのいい思い出になるよ。せっかく親しくなったのに、この場限りというのも心残りだけど、後は旅の続きを楽しんでね。」と応えると、
「ええ、貴方もね、私達は、これから南房パラダイスで遊んでから東京に帰るの。」と二人は清々しい笑顔で返事をして、席を離れた。
部屋に戻ると、うちの若い女性二人はいなくて、もう、セミナーをはじめているようだ。セミナールームに様子を見に行くと、広い室内の一角でマンツーマンの教育をしている。
二人は僕に気づき、講習を中断して、女子社員が声を掛けてくる。
「社長、もうあの方達とは話が済みましたか?」
「ああ、彼女達は早めにチェクアウトをして、観光に行くみたいだよ。」
「そうですか、綺麗なご婦人と知り合えてよかったですね。連絡先とか交換されたのなら、また、東京でお会いになることもできますね。」と言うので、
「いや、それはしてないなあ、むこうもあえて聞かなかったから、今日限りということなんだろうね。」と応えると、
「それは残念ですね、あれだけ親しくなったら、ふつう、メアドの交換ぐらいはしますのに。」と首をかしげる。
仮面妻の娘も「あちらの方達も社長に随分、好意を持たれている様子にみえましたけど・・」と解せなさそうだ。
どうもこの二人は、僕とあの女性達との関係を少なからず、気にかけているようで、詮索とも思えるような懸念をしている。
僕にとっては、美熟女達との今回限りの理由はハッキリしているが、まさか、それが一夜限りの後腐れないセックスの約束事とは言えない。
「まあ、ここだけの行きづりの出会いだったということで、いいのじゃないか。そんなことより、セミナーを続けないとね。君のお母さんからもしっかり、勉強させてほしいって頼まれたからさ。」と仮面妻の娘に言いきかせる。
さらにママ風は「まあ、女子社員に好かれるような社長さんって、なかなかいないわよ。貴方と女子社員が社内不倫するのもありえなくないわね。」と面白がって話を続ける。
「いや、僕は社内の女性には手を出さないよ、社長がそんなことをしたら、社内の雰囲気が悪くなるからね。」
「だけど、分からなければいいじゃない、私だって、うちの会社の社長が私の好みのタイプだったら、不倫するのもあるかもね、まっ、今の彼じゃ、ありえないけど。」
チィママ風が、「そうそう、私、社長から何度も言い寄られることがあるわ、少しでも思わせぶりな態度をみせたらエスカレートしそうで、さりげなくかわすようにしているの。」と話に乗ってくる。
「貴女、シングルマザーだから、スケベー社長の狙い目なのよ。男に相手をして欲しがっているじゃないかと、勝手に思い込んでいるのよ。」とママ風が話す。
僕もこのブログに前述したが、何度も社内の女性とはニアミスはあったが、親密な男女関係までには至っていない。その分、社外の女性と関係を持つことは幾度もあった。
現にこのチィママ風の熟女とも昨晩、初対面で肉体関係をもっている。
そんな機会に恵まれているから、ブログ前述の『禁断の誘惑』にあるような思わせぶりなアプローチがあったにしろ、自制心とはいうものの、身近な社内の女性に手を出すこともなかったのだ。
多分、彼女達の会社の社長は、社外では女性関係に至るまでのことが無く、権限をもって、手短な社内の女性をターゲットにしているのだろう。
「でも、貴女も近々、シングルマザーじゃなくなるから、少しは社長の関心も無くなるじゃない。」とママ風が言うと、「そうね、旦那ができると、うかつに手を出せないわね。」と応える。
「えっ、君、再婚するんだ。だったら、昨晩の事はよかったのかな?」と僕は呆気にとられたようにチィママ風に尋ねる。
そうすると、ママ風が、「だから、彼女とのセックスの前に、一度限りで、後々、尾を引かないようにと念を押したじゃない。」と口を挟む。
さらにチィママ風が言うには、「そうなの、見た目は好感できるような男性じゃないけど、求婚されたの。私も子供がいるし、今後の生計のこともあるから、性格は優しそうな人なので、いわば、打算で妥協して受けることにしたわ。」
「だから、今回は、彼女の独身最後の旅行なので、ハメを外してアバンチュールがあればいいかな、と思いつついたら、ディスコで貴方に出会ったの。貴方はちょうど、彼女がファンになっている男性芸能人に似ていたのよ。だから、私が抱いてあげて、って頼んだのよ。言わば、彼女の思い出づくりなのよ。」とママ風がにこやかに語る。
僕の若い頃のことを記述した『マリッジブルー』で経験したのと同じシチュエーションで、僕にとっても役得にあずかった気持ちだ。
「こちらこそ、ありがとう。お陰さまで楽しませて貰ったよ。」と僕は、チィママ風の女性にそれとなく目配せをしながら応えると、
ママ風の女性は、その経緯を知っているだけに意味ありげな笑いを浮かべている。
女子社員はそんな場の空気を感づいているのかは分からないが、
「昨夜は、社長がお世話になりました。随分、親しくご一緒させていただいたようですね。」となにか勘繰るともとれるような礼をすると、仮面妻の娘も「そうですね、社長は部屋に戻ってきたら上機嫌でしたわ。」と笑顔をみせながらも女子社員の言葉にうなずく。
そんな若い女子達の物言いに、チィママ風が「社長さん、紳士的で素敵な方ね、きっと女子社員の方達に人気があるのでしょう。
うちの会社の社長は信楽焼のお狸さんみたいで脂ぎってカッコ悪いし、おまけにスケベーで私達にセクハラまがいのことまでするのよ。」と苦笑いしながら応える。
昨夜は、僕だってこの美熟女達や女子社員にセクハラ以上のことをしているが、これは同じように女体に触れてもスキンシップととらえてくれているのか、彼女達の受け止め方次第なのだろう。
「ええ、社長は女子はもちろん男子社員からも好感をもたれていますわ。社内も家族的で明るくて、仕事にも張り合いがでます。」と女子社員が言うと、
「いいわね、ダンディな社長だと、会社のイメージも上がるわね、うちの会社もイベント関係だけあってイメージが大事だけど、あの社長が表立つと印象が良くないわね。」とママ風の女性がチィママ風に笑いかける。
「そうよね、それに比べて社長さんの会社、こんな可愛い子達もいるし、きっと華やかな職場で雰囲気も良いのでしょうね。」とチィママ風が応える。
「私達、この後のセミナーにかかりますから、お先に失礼します。どうぞ、社長とごゆっくりしていって下さい。」と女子社員と仮面妻の娘は二人の熟女に挨拶しながら席を立った。
うちの若い女性達がいなくなったので、昨夜のことが話題になる。
「あの子達、貴方と私の昨夜の関係のこと、なんとなく感づいていない?」とチィママ風の女性が聞くので、
「いや、それはないよ。ずーと、ディスコで一緒だったことにしていたから。」と応えると、
ママ風の方が、「あの女子社員の子は、社長さんに憧れているかもね、知り合いの娘さんの方も、心うちに何かありそうな感じだわ。」
さすがにママ風の女性だけあって、見抜くのが鋭い。
確かに、昨夜、僕に思わせぶりに身を持たれかけた女子社員を抱き寄せたし、仮面妻の娘の方は、母親と僕が不倫関係にあるのをうすうす察しているかも知れないからだ。