「まったく」と侯爵はまたソファに座った。
「仲が悪いですね。どうしてですか」
「ジャンの単なる嫉妬だ。ワタシはここまで来ると思わなかっただろう」
「もう一人の兄とも仲悪いですか」
「いいえ、あの切れ者と仲がいい」
「切れ者?」
「フランスア兄は頭がいい。ヴェンドメ家を継ぐのも一番相応しいと思う」
「でも教会のものでしょう」
「それは貴族としての都合に過ぎない。本家を支持するために、教会に入ったから」
「カエールも本家を支持していませんんか」
「ワタシは三男だから、好き勝手すればいい。が、今のところ本家を手伝ったり、フランスア兄にお金を送ったりしている」
「ドノヴァン公爵は死んだら、どうするつもりですか」
「父上はワタシより先に死んだりはしない。でも万が一そのようなことがあったら、ジャンの意思次第だ」
「つまり本家を見捨てるつもりはないんですね」
「爵位を得たのも、資産をここまで大きくしたのも本家を立たせるためだ。基本は三男としていいところの令嬢と結婚し、花婿として違うところを継げばいいが、ワタシはその道を選ばなかった」
「じゃ、本家のためにも、この家の跡継ぎが必要ですね」
「いい家の令嬢と結婚して、子供を作るしかないが・・・」
「では早速結婚すればいいのでは?」
「しかし6年か」と私の言ったことを聞こえなかったようで「今結婚しても、早くても子供は来年生まれてくる。6年後は、5歳。ワタシが教えないといけないものの山を5歳児に到底理解できない・・・ヴェンドメ家のためだけではなく、新王室のためにも・・・間に合いそうにない」
「侯爵の代わりになれませんが、私にその全てを教えれば、私は子供にカエール様の言葉を伝えましょう」
カエール侯爵が私を見つめる
つづく
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