部屋のドアにノック。医者が入ってきた。
「様子を見に来ました」
「こんな遠いところまで、わざわざありがとうございます」
「体調は?」と言いながら、医者はベッドの隣に座った。
「なんとか」
「少しだけ薬の量を増やしましょう。それとしばらくの間3日に1日位休むように。今のままだと1年前のようにまた入院をせざるをえない状況になりえるから・・・」
「分かりました。負担を減らせば、後何年保つかなぁ」
私はカエール侯爵の質問に驚いた。
「そうですね。5・6年位」
「分かりました」
「しかしここまで生き延びた侯爵ですから、6年以上になるかもしれません」
「そのために体を鍛えるしかないですが、この1年体はあまりそうさせてくれないのです」
「焦らずに一歩すづやっていけばいい」
「一歩すづですね。年をとるとなぜか焦ってしまいます」
医者はただカエール侯爵を見つめる。
「とりあえず後4日間大人しくしています」
「今はそれが一番いい。薬を執事に渡します。何かあったら、呼んでください。いつでも来ますから」
「はい」
「では」と医者は部屋から出た。
「後6年というと」とショックを受けていた私は直接侯爵に聞く。
「ワタシの残りの寿命は後6年だってことだよ」とカエール侯爵は答えた。
つづく
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