物語43 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


  部屋のドアにノック。医者が入ってきた。
  「様子を見に来ました」
  「こんな遠いところまで、わざわざありがとうございます」
  「体調は?」と言いながら、医者はベッドの隣に座った。
  「なんとか」
  「少しだけ薬の量を増やしましょう。それとしばらくの間3日に1日位休むように。今のままだと1年前のようにまた入院をせざるをえない状況になりえるから・・・」
  「分かりました。負担を減らせば、後何年保つかなぁ」
  私はカエール侯爵の質問に驚いた。
  「そうですね。5・6年位」
  「分かりました」
  「しかしここまで生き延びた侯爵ですから、6年以上になるかもしれません」
  「そのために体を鍛えるしかないですが、この1年体はあまりそうさせてくれないのです」
  「焦らずに一歩すづやっていけばいい」
  「一歩すづですね。年をとるとなぜか焦ってしまいます」
  医者はただカエール侯爵を見つめる。
  「とりあえず後4日間大人しくしています」
  「今はそれが一番いい。薬を執事に渡します。何かあったら、呼んでください。いつでも来ますから」
  「はい」
  「では」と医者は部屋から出た。

  「後6年というと」とショックを受けていた私は直接侯爵に聞く。
  「ワタシの残りの寿命は後6年だってことだよ」とカエール侯爵は答えた。

                                      つづく

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