物語41 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


  「アリアネ、ここにいてくれ」とカエール自身の言葉としか聞こえなかった。
  私はドアの近くに立った。
  「座れば?」
  「ここでいいです。手紙、まだ終わらないんですか」と心配している私は聞く。
  侯爵は答えない。呼吸はまた少し困難になっているようだ。動いたりしたから、体調が悪くなっているのではないか。
  「アリアネ」
  「はい」
  「執事にコレを渡してくれ」
  「分かりました」
  「それから、コレを渡したら、ここに戻ってきてほしい」
  「はい。すぐ戻りますから」

  戻ったら、侯爵は自分のベッドに座っていた。弱いが、咳が出ている。
  私はカエール侯爵の隣に座った。
  そうすると、侯爵は私の肩に頭をおいて、背中に腕を回した。
  「もうこの体はイヤだ」と感情を押し殺せない低い声で呟く。
  私は侯爵を抱き返した
  「こんな弱いカエール様は初めてです」
  「受け止めてくれると思ったから・・・」
  「嘘のないカエール様なら」


                                       つづく

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