「アリアネ、ここにいてくれ」とカエール自身の言葉としか聞こえなかった。
私はドアの近くに立った。
「座れば?」
「ここでいいです。手紙、まだ終わらないんですか」と心配している私は聞く。
侯爵は答えない。呼吸はまた少し困難になっているようだ。動いたりしたから、体調が悪くなっているのではないか。
「アリアネ」
「はい」
「執事にコレを渡してくれ」
「分かりました」
「それから、コレを渡したら、ここに戻ってきてほしい」
「はい。すぐ戻りますから」
戻ったら、侯爵は自分のベッドに座っていた。弱いが、咳が出ている。
私はカエール侯爵の隣に座った。
そうすると、侯爵は私の肩に頭をおいて、背中に腕を回した。
「もうこの体はイヤだ」と感情を押し殺せない低い声で呟く。
私は侯爵を抱き返した
「こんな弱いカエール様は初めてです」
「受け止めてくれると思ったから・・・」
「嘘のないカエール様なら」
つづく
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