「アリアネ、起きる時間だよ」と翌朝カエール侯爵が私を起こしていた。
朝食を二人で食べていたら、大きい足音を立てながら、ドノヴァン公爵が食事の部屋に入った。
「体調が悪いか」と侯爵と目を合わせるなり、ドノヴァン公爵は聞いていた。
「おはようございます、父上。別に体調は悪くありません。最近ちょっと無理し続けたから、休んだ方がいいと思いました」と本当のことを言わず、侯爵はドノヴァン公爵を見つめていた。
「都を離れるのを嫌がるお前はこの田舎に来ていると聞く度にお前の母が心配するぞ」
「母上にも伝えてください、休みだけだってことを」
「そうか。お前は元気なら、それでいい。では」と帰ろうとしたドノヴァン公爵に
「そんなに急がなくてもいいですよ、父上。都に帰ってもジャンの結婚式の準備で家がうるさいだろうし」
「でも、邪魔だろう」とドノヴァン公爵は私の方を目で示した。
「いいえ、邪魔ではありません」
「お前、ジャンの結婚式に行くだろうな」と言いながら、ドノヴァン公爵はテーブルに座った。
「カエール侯爵、そしてヴェンドメ准将軍として招待状をもらえば、行くとしよう」
「家族として行くつもりはないのか」
「弟として、ジャンに頭を下げることになる、そうしたらヴェンドメ准将軍としてジャン将軍に頭を下げていることになるでしょう」
「ジャン将軍はカエール侯爵の兄ですか」と話をみない私は聞いた。
「はい。ジャンはワタシの上の兄で、ヴェンドメ家の長男です。次男は教会の者です」
「だからヴェンドメ家の3将軍と兵達の間に言うのですね」
「ワタシは将軍ではありませんが」
「ヴェンドメ家の力を使えば将軍になっていたのに。この父を許さないと言ったから、わしは動かなかった」
「父上の力を使ったら、自分の力で得たものになりませんから」
「お前は長男だったら、わしは安心して、死ねるのに」
「父上も母上もジャンに甘かったと思います」
「夜遊び好きのお前は言えるか」
「しかしワタシはその夜遊びで父上のお金を使ったことがありません、ジャンと違って。爵位も准将軍の立場も自分で手に入れて、資産も自分のものですから、多少の夜遊び位大目にみてもいいでしょう」
「だからお前は長男だったらよかったといつも言ってる。ジャンはあまり先のことを見ていない」
「ジャンは王室が自分の味方でいる限り、大丈夫だと思っているでしょう」
「しかし第一王子はお前の味方だし、王は理想の帝国を作ってくれる人なら、味方になるし」
「第二王子もワタシも味方ですし、兵達の間もジャンを嫌う人も多いです。それに次の戦いをジャンが負けるから、王の夢に対して疑問を抱く人が増えてくるのでしょう」
「ジャンが負けるって」
「負けさせます」
「東国のカルロと手を組んだか」
「逆ですね。カルロはワタシを手伝っています」
「ジャンをそんな潰したいか」
「ジャンはたまたまワタシの道の邪魔になってしまったので」
「ジャンもお前が邪魔だといつも言っている」
「しかしジャン将軍はカエール侯爵を勝つことはできはしない」と自信満々の笑顔を見せた
ドノヴァン公爵は苦笑い。
「ワタシ宛の招待状が届くといいですね」
「今日のティーは苦い」とドノヴァン公爵は言う。
つづく
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