物語29 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


   更新遅くなりました。侯爵に怒られます。(ノω・、)
   では引き続き、どうぞ。

 都に帰ってきてから一週間。カエール侯爵は以前と変わらず、たまに夜出かけたり、書斎で遅くまで仕事をしていたりしている。違うのは私にあまり近づかないことと必要以上私と話さないことだけだった。
 今日カエール侯爵は何人の友人を自分の屋敷に招いた。私もそれに出席をせざるを得なかった。自分の娯楽の心配しかしないこの貴族の子供達と美味しいティーを味わいながら、色々なゲームをやっていたら無駄な一日を過ごした。
 侯爵は人の目を気にせず、ある女性とずっと話していた。耳元で言葉を囁きながら、彼女の髪に触ったり、手の上にそっと自分の手をおいたり。女性は拒むことなく、侯爵に笑顔を見せていた。
 時計が夜の七時をまわると、侯爵の客が帰り始めた。最後に帰ったのはカエール侯爵と話していた女性だった。別れを惜しむようで、馬車の前で侯爵を一分でも長く引き留めようとしていた。しかしカエール侯爵が何か言ったら、馬車にすぐ乗り、帰った。私はドアからその二人を見守っていた。
  「あんなに帰りたがらなかったのに、何を言いましたか」と私は屋敷に入ってきた侯爵に聞いた。
  私が話しかけたことに少し驚いていたカエール侯爵は
  「仕事がワタシを待っていると言ったら、帰ってくれました」
  「理解のある女性で、侯爵も助かりませね」と嫌味を言いながら、自分の部屋に向かっていた私だった。
  「アリアネ、ちょっと書斎で話をしましょう」
  「着替えてから、行きます」
  「先に話を」と「はい」以外の答えを言わせない声で侯爵は言っていた。

  「ジェアン伯爵にこの手紙を届けて欲しいです。返事を伯爵から直接もらってきてから、帰ってきてください」
  「分かりました」
  「今日珍しく声をかけられたと思ったら、嫌味を言うためでしたね。なぜそんなに機嫌が悪いですか」と私に手紙を渡しながら、侯爵は言った。
  「機嫌は悪くないです」
  「言いたいことがありましたら、言ってください」
  「人の前であんな風に女性と話さない方がいいのでは?」
  「カエール侯爵はそういう男だと誰でも知っていますから、アリアネ以外は誰も気にしていませんよ」
  「私以外・・・常識だと思いますが・・・」
  「それに」と私の言うことを無視しているようで「ワタシの婚約者になり得る女性ですから、仲良くした方がいいでしょうし・・・」
 「しかし・・・」
 「ワタシの行動ではなく、他の女性とあんな風に話していることが気に食わないだけでしょう。そんなに欲しいなら、ワタシの部屋に連れてあげましょうか」と嫌らしく侯爵は微笑んだ。 
 私は我慢できずカエール侯爵の頬をぶった。侯爵は私を止めようともしなかった。
 「言い過ぎました。これでアリアネは機嫌を直してくれたら・・・」と頬に痛そうに手を伸ばしていた「外で馬車が待っていますから、手紙を」と話をこれ以上長くしないように。
 
                                                つづく
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