物語25 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


  ドアが開かれ、侯爵はやっと戦場から帰ってきた。
  「見張り、お疲れ。もう休んでいいよ」と見張りに言った。
  「失礼します」と見張りは一礼をし、出た。
  侯爵は私を見たが、何も言わなかった。手と顔を洗ってから、小さいタオルを水に濡らし、椅子に縛っていた私の前で膝を折り、私の顔をふき始めた。
  「傷は?」
  「ありません」
  「あれほど言ったのに、何でワタシの命令を無視したか」と怒っているより、あきれたように侯爵は聞く
  「申し訳ございません」と私はそれしか言葉を口にすることができなかった
  カエール侯爵は自分の剣と私の剣をきれいにし始めた。
  「ごめんなさい」と私は繰り返す。
  「アリアネは殺されるところだったよ」
  「ごめんなさい。でも・・・」と私は泣き出した。
  カエール侯爵は私を束縛していたものを取った。私は泣きながら、強く侯爵の首を抱きしめた。
  「もう戦場で誰かを失うのが嫌」と私は言った。
  侯爵は何も言わない。ただ私を強く抱き返し、私の頭を撫でていた。

                                     つづく

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