物語21 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ



  キスした後、カエール侯爵は屋敷に帰ることにした。舞踏会で流されてしまった私は屋敷に着くなり、抵抗として侯爵に手をあげようとした。が、意味のない行動で、侯爵が私を手を握り、またキスし、そして耳元に
  「お休み、ワタシの南の薔薇」と呟き、自分の部屋に入った。
 
 朝起きると、一階から聞き覚えがある男の声が聞こえてくる。階段から覗いてみると、ドノヴァン公爵は説教をしている様子。カエール侯爵は全く気にしていない様で、ソファに腰をかけ、小さな刃と遊んでる。
  
  「何考えておる?」とドノヴァン公爵は問う。
  カエール侯爵は微笑むだけ。
  「我が国の貴族が全員集めているような場で、下級の軍人とキスを?」とあきれているドノヴァン公爵だった。
  「父上、ワタシを自由にしなかったか」
  「自由にほどがあるぞ」
  「自由にほどがあったら、もう自由ではないと思いますが・・・」
  ドノヴァン公爵はもう怒り抑えきれない顔をしている
  「ワタシは家を継ぐ長男でもなく、次男でもありません。好き勝手して、生きればいいでしょう」
  「お前は准将軍だぞ」 
  「知っています。自分の力で手に入れたものですから、忘れるはずがありません」
  「好き勝手する准将軍は誰が認めると思う」
  「別に貴族に認めてほしいと思えません。兵の信頼さえあれば、充分です」
  右から左へと歩いていたドノヴァン公爵は止まった。そして自分の息子を見る
  「じゃ、貴族に何を見せたい?」
  「頭に何もないカエール侯爵を見せたいところですね。ワタシのことをあきれた目で見てくれればいいです」
  「貴族はあきれたら、上級の軍人もあきれるだろう」
  「負けの知らないヴェンドメ准将軍のことを誰があきれますか。ジャン将軍と王はワタシのことを無視し続けるようですが、ジャン将軍の准将軍である、ポルギー公爵でさえ相談をしにきます。父上もそうではありませんか」
  「そういうことによって、お前が何を得ると言うんだ」
  「身動きとりやすい立場を手に入れています」
  「やれやれ。わしの方が長く生きているというのに、お前の方がこの腐った社会の中でうまく生きていける」
  「父上、中立な立場が保てなくなる日が来ますよ」
  「その時に、ヴェンドメ家とお前を守るための一番いい道をとろう」
  侯爵は微笑んだ。
  「で、あの娘どうするつもりだ?」
  「それはワタシ個人の問題なので・・・」
  「もうわしの仕事をしたから、帰る」とまたイライラするドノヴァン公爵だった。 
  「準備を終えたら、すぐ出発しますから」
  「ああ」ともうドアを開けていたドノヴァン公爵だった。
  「父上、あまり自分の息子の芝居に騙されないように」とカエール侯爵が笑った。
  ドノヴァン公爵は振り向きもせず、だた手をあげて、振った。

  「さて、盗み聞きしているアリアネ。朝食後出発しますから、準備を」
 
                                         つづく
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