物語20 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


  前に行った舞踏会より、今夜の方が人が多い気がした。侯爵の友人で、一緒に大学を通ったポール伯爵の家で、今夜の舞踏会が開かれている。カエール侯爵は今日も軍服を着ている、正式な場に正式な服装と屋敷から出る前に侯爵は笑顔で言っていた。カエール侯爵の軍服を見ては思う、この男にこれほど似合う服はないだろうと。
  舞踏会で飲み物を運んでいる人からもらったものを飲もうとしたら
  「それは」と私の手からグラスを取っていた侯爵だった「ワインだから、だめです。はい、アルコールのないカクテルを」と私に違う飲み物を渡した。
  「ありがとうございます。過ちをおかすところでした」
  侯爵は微笑んだ
  「青似合いますね、やっぱり。アリアネの黒い髪といいバランス作っているし・・・」
  「侯爵、相手間違っていませんか」
  「いいえ、間違いなどありませんが・・・」と侯爵は私の腕を掴み、耳元に呟いた「茶色のスーツを着てる男見えますか」
  「はい」
  「あの人に手紙を」と侯爵は私から少し離れた「アリアネをダンスに誘うと思います。ワタシが連れてきた女性をダンスに誘うなんてあの男しかいませんけどね」と侯爵は苦笑いを見せる。
  私はただ微笑んだ。
  「カエール侯爵、お久しぶりです」
  「久しぶり、ジェアン伯爵」
  「この前の舞踏会に連れていたレディーですね。初めまして、ジェアンです」
  「初めまして、アリアネです」
  「どこの人ですか。あまり夜会で会ったことない気がしますが・・・」
  「ワタシの部下で、南から帰ってきた時に一緒に連れてきました」と侯爵は答える
  「南の女性ですか。通りでこの辺になかなか見られない黒髪ですね」
  私は微笑むだけで、カエール侯爵は少し不機嫌そうにジェアン伯爵を見る
  「社交辞令ですよ、侯爵。別にアリアネ様を落とそうとしていませんから」
  「ワタシと一緒にいつも夜遊びに出かけるジェアンの言葉はちょっと信じがたいですね」
  ジェアン伯爵は笑った。  
  「この可愛い南のレディーと一曲踊りたいですが、いいですか、侯爵?」
  「アリアネに聞いてくれ」
  「一曲踊っていただけませんか、アリアネ様」
  「はい」
 
  私とジェアン伯爵は踊っている間にカエール侯爵はずっと私たちを見守っていた。結局伯爵と踊ったのは三曲で、曲と曲の間にうまく伯爵のスーツのポケットに手紙を入れた。カエール侯爵のいた場所に戻ると
  「やはり、妬けますね」とカエール侯爵はジェアン伯爵に言う
  「侯爵と喧嘩などするつもりはありませんので・・・この前負けたし・・・」
  「ワタシも友人と喧嘩したくありませんし」
  「では、失礼します」と小声で「受け取りました」
  「では」と侯爵は一礼をした。と私に「アリアネと一曲踊れますか」
  「毎日練習したじゃないですか」
  「でもドレスを着ているアリアネと舞踏会で踊りたい」
  「わかりました」
 
  侯爵は疲れを知らないようで、曲から曲へと私と踊り続けた。ちょっと休みたいと侯爵に言おうとしたら、侯爵の唇はとても近かった。私は避けた。
  「こんな所で」と私は侯爵から離れようとしたが、侯爵が私を強く抱き、人の目線のことを全く気にせず、キスをした。
  「今日から夜会でアリアネは有名になるのですね」
  「冗・・」と私は言葉を全部口に出す前に、カエール侯爵はまた私とキスをした。

                                         つづく


  
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