今夜侯爵はワインについて教えていた。でも飲むのに不慣れな私は三・四杯でもう既に酔っていた・・・と思う。
立とうとしたら、バランスを崩し、気づけば、テーブルにちょっと体を寄せていた侯爵の腕の中に。彼の服からとてもいい匂いが放ち立つ。
カエール侯爵に謝るつもりで顔をあげた私だったが、いつの間に、この男と長い口づけを交わしていた。私の背中に回していた侯爵の腕にもう少し力を入った時に、私は我に返り、彼から離れた。
侯爵はだた微笑む。いつもの嫌らしい微笑みでもなく、軽い微笑みでもない・・・だた私の抵抗が微笑ましいと思っているように。
「寝る」と私は言う。
「階段に気をつけて」
「うん」と階段に向かった私だったが、登り切れず二・三段階目に座った。
「舞踏会で飲まない方が良さそうですね」と言いながら、私を抱き上げた。
「だいじょうぶです」
「舞踏会でアリアネは知らない男とキスをしていたら、困りますから。アルコールの入ってるものをやめましょう」とからかう侯爵に答える気力なく、彼の腕の中で眠ってしまった。
つづく
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