次の日に侯爵の姿を見あたらない。執事に聞いても、分かりませんという返事しか返ってこない。
ドアの近くに侯爵の帰りを待つことにしたが、いつも帰る時間が過ぎても、帰らない。諦めて、寝ることにした。
朝、朝食の時に私自身が侯爵を呼びに行った。
部屋のドアを開けると、侯爵と隣に貴族だと思いがたい女性。侯爵は驚いて、起きた。
「失礼しました」と私は言い、部屋から出た。
カエール侯爵はすぐ私を追ってきた。
「アリアネ、ちょっと君の部屋で話をしよう」と部屋のドアを開けた
「別に話すことないと思いますが・・・」と言いつつ、部屋に入っていた私だった「昨日姿が見あたらなかったから、ちょっと心配していましたが・・・侯爵は無事であれば、護衛兵として十分です」
「すぐあの女性を帰しますから、朝食一緒に食べましょう」と私の機嫌をとろうとしていたカエール侯爵だった。
「私の機嫌とらなくても・・・」
「機嫌が悪いアリアネだと困りますから、ワタシは」と素直な笑顔を見せてくれた。
私は先におりて、朝食の出された部屋で待っていた。
「お待たせしました」と軽い笑顔を見せながら、侯爵は私の向かいに座った
「護衛兵としての仕事なかなかできません。カエール侯爵は好き勝手ばかりやっていますから。身の危険の心配は全くしていないようで。毎晩違う女性を連れてきて・・・その中に侯爵を殺そうと思っている者がいたら、どうするつもりですか」
「女性の腕の中に死ねるなら、それ以上幸せなことがありませんよ」と嫌らしい笑顔を見せた
「護衛兵からおりてもいいですか」
「だめですね。アリアネにやってもらう仕事はまだたくさんありますから。今週末の舞踏会はその一つですが・・・」
「また舞踏会ですか」
「アリアネがある人物に手紙を渡してほしいです」
「自分で渡せば?」
「機嫌が悪いですね、アリアネ。仕事の話ができないじゃないですか」
「私の言うことを聞き流す侯爵はそういう台詞が言える立場だと思えません」
「わかった、わかった。では取引をしよう。手紙の仕事をやってもらうために、ワタシは一週間アリアネの言うことをちゃんと守りますから、ね」
「一週間ですか。・・・それでまた違う女性を連れ込んだり・・・意味のない取引だと思います」
「アリアネは嫉妬深いですね」
「からかわないでください。カエール侯爵の安全を思ってのことです」
侯爵は真剣顔になる
「わかった。出かける回数を減らそう、それいいですか」
「舞踏会で何すればいいですか」
「その話の前に,アリアネのドレスを買いに行きましょう」
「街に出るつもりですか」
「もちろん。そっちの方が楽しいでしょう」
「侯爵を何から護ればいいか分からない私にとって、街ほど厄介な所がありません」
「貴族を嫌う街の者から護ってくれれば十分ですよ。こんな時間にワタシを襲う者はその位しかいません」
つづく