侯爵家にしては、食事をとる部屋は意外と狭かった。多分家族だけの時に使う場所であろう。一つのテーブルにたくさんの果物や色んな種類のパンがおいてあった。もう一つのテーブルにカエール侯爵のだと思われる父親と母親が座っていた。
「おはようございます、父上、母上」とカエール侯爵は言う「こちらは昨日ワタシと一緒に着いたアリアネです」
「はじめまして、アリアネです」
「あら?新しい彼女?」とカエール侯爵の母親は聞く
「違います、母上。この役立たずワタシを手伝いにきてくれた者ですよ。アリアネは軍人です」
「まぁ。こんな可愛い子、軍人だなんて・・・ゆっくりしてくださいね」
「ありがとうございます」
「ドノヴァンです。うちの無能の息子がお世話になります」とカエール侯爵の父親。
私は一礼をした。
「明日の舞踏会に行きますか、カエール」とマりエー様ーカエール侯爵の母親ーは問いかけた。
「行きます。ちなみに母上にお願いしたいことがありますが、アリアネを舞踏会に連れて行こうと思っています。アリアネのためのドレスを用意してもらえないのでしょうか」
「もちろん。朝食を終えたら、買いに行きましょうね、アリアネ様」
「アリアネと仕事の話がありますから・・・」とカエール侯爵は。
「分かりました」と残念そうにマりエー様は言った。
私は黙ったまま、話を聞いていただけ。
朝食を終えると、マりエー様はすぐ出かけた。ずっと黙っていたドノヴァン様が話し出す。
「女護衛兵を雇って、どうするつもりだ、お前は」
「女性だとあまり目立たないと思いました。それにワタシといつも一緒にいても、恋人ぐらいだと思われるのでしょうし。」
「お前といれば目立つだろうに・・・」
「話がよく分かりませんが、護衛兵としてカエール侯爵と都まで来たからには、私の力の限りドノヴァン侯爵の息子を護るつもりです」
「父上は侯爵ではなく、公爵です。侯爵はワタシ個人に与えられた爵位です」とカエール侯爵は説明していた
「失礼いたしました」
「いいえ。でもアリアネの腕は確かなのか」
「さっき、ワタシ自身が確認しましたよ、父上」
「もう口出しはしない。でもお前をいつでも守れるわけではないと忘れないでおくれ」とドノヴァン公爵は言い、そして立った「アリアネ、自分の目で確かめるがいい、どれほどこの国の貴族は腐っているのか」
つづく