のぞき窓からみえる“山梨鐐平の世界” -4ページ目

Conversation Piece 第56回〔その6〕

前回からのつづき)


側「精神的にボヘミアンでいる、アウトサイダーでいる。ひとくちに申しましても深い意味があったのですね。」

$のぞき窓からみえる“山梨鐐平の世界”

R.Y「ボヘミアン。この生き方は決して前向きではない、とおっしゃる方もたくさんいると思いますが、今の自分は音楽家としてその気概を持ちたいのです。それぐらいじゃないと、自分を貫けないし、歌いつづけていくための希望も感じることが出来ないかもしれません。その気概を持ち続けるためには、少なくとも家や土地など持たず、最小限の荷物と楽器だけで生きていけたら、と思います。

側「お洋服などは?」

R.Y「・・・・・。」



(Conversation Piece 第56回 完)

Photograph #184

$のぞき窓からみえる“山梨鐐平の世界”

Photo by 山梨鐐平




Conversation Piece 第56回〔その5〕

前回からのつづき)




R.Y「おそらく、そこが自分の弱点なのではないでしょうか。そこでこれらの規則をいつの頃からか決めたのだと思います。他者のことで自分が苦しむということが私にとっての苦悩なのです。そこから逃れるにはどうしたらよいか、ということを考えて、自分の弱点をおぎなうための規則を見出してきたのではないでしょうか。」





つづく

Photograph #183

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Photo by 山梨鐐平





Conversation Piece 第56回〔その4〕

前回からのつづき)



側「しかしボヘミアン、アウトサイダー、とても自由な気風で生きていらっしゃるといっても、とてもいろいろなことに気を配られていらっしゃる様に思えます。何かご自分に課しているルールはございますか?」


R.Y「んー・・・、〔他者のことで心を乱してはいけない〕ということでしょうか。」


側「それは怒らない、ということでしょうか?」


R.Y「それはもちろんのこと、いつでも冷静さを失わずに穏やかな心でいたいものです・・・。〔他者の善悪、とくに悪の判断しない〕これも私にとっての絶対的な規則です。」


側「っというのは・・・?」





つづく

Photograph #182

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Photo by 山梨鐐平




Conversation Piece 第56回〔その3〕

前回からのつづき)

側「わかります。また〔精神的にはアウトサイダーでいたい。〕ともおっしゃっておりましたね。」

R.Y「時代の流れに乗って、本能的にですが人の足並みにあわせて生きていくのは、少しもったいない気がするのです。」

側「なるほど。別に今の時代をありのままに受けとめて、生きなくても良いじゃないか、ということでしょうか?」

$のぞき窓からみえる“山梨鐐平の世界”

R.Y「だけど、もちろん“自覚”をもって今の時代を生きている人たちは素敵だと思いますよ!しかし、そう言う私も19世紀以前の時代にいくら興味を持っているとはいえ、なかなかローソクでの生活はむずかしいものがあります・・・・・。」

側「つまり携帯電話も持つし、車にも乗るけれども、19世紀以前の精神構造で生きる、ということなんですね。」

R.Y「そういうことを望んでいる自分は、たしかにいます。」




つづく

Photograph #181

のぞき窓からみえる“山梨鐐平の世界”

Photo by 山梨鐐平






ありがとうございました!

当ブログ1周年へのメッセージを書き込みいただきました皆様、ありがとうございました!


先週より〔側近〕は、恥ずかしながら流行りのイ●フ●エ●ザにかかっており、書き込みいただいた皆様へのご返信の書き込みが出来ず、失礼いたしました。


山梨氏には、期間限定をもうさらに先に延ばす旨、お話いたしまして、快諾いただきましたよ。



今後ともよろしくお願い申し上げます。

Conversation Piece 第56回〔その2〕

前回からのつづき)

側「たとえば、山梨さんの前にありますコーヒーにボヘミアン的なものを感じる部分というのはありますか?」

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R.Y「湯気ですかね・・・。」

側「うむ。」

R.Y「カップやスプーン、コーヒーの液体は人の一部のような感じをうけますが、湯気には独立した自由を感じますもの。科学者や、プロテスタントの牧師の狭い部屋、大統領の寝室やマフィアの豪邸、孤独な芸術家の安い五線紙の上でも、差別なく白い湯気をたてて、そこの空気の一部となってゆく。
そんな湯気には、まさに何ものにも縛られない気高い自由を感じますよ。」


つづく