こんにちは。
すっかり春ですね。
週末となりました、
新入社員のみなさんはホッと一息ですか?
学校は始まりましたか?
新しい生活はドキドキ、ワクワクが当たりまえ。
お休みはしっかりと切り替えて、色々な事に挑戦しましょう!
4月13日(日) 夕方4時から放送の
FM千里「三嶋真路のROCK BREAKERS」
mizuochi & the understanding ON AIR決定!
1st CD amazon と
こちらから飛べます。
discunion で
ここをクリックしてください。
好評予約受付中!
バンドの思い出 キャンプ 8
原付に2人乗りでノリノリの僕らはすぐに捕まり
結局僕が電車で帰る事にはなりましたが
警察での取り調べや歩いて駅へ向かったりしているうちに
終電が出てしまい、駅で野宿することになりました。
僕一人が野宿すればいいんですが、ボーカルとリードギターも付き合ってくれます。
なんだか今思い出しても胸が熱くなります。
早速、偶然手に入れたバナナと食パン、そして
何の記念モデルかは解からない見たことないコーラ350mm。
バナナを食パンで巻いて食べると
少々痛んでいても関係なく旨い。
僕らはパンとバナナを2セットづつ食べました。
「あ、あんまり飲むなや~!」
「俺まだ飲んでないやんけ!」
「ちょっとだけやんか!」
「、、、、あ~、もう、俺、一口しか飲んでない~!」
夏の夜。
パンとバナナの晩飯。
コーラが350mmを3人で回し飲み。
全然飲み物が足らない!!!
「見ろ、コーラなんか買ってくるから、、!」
「見た事なかってんもん!」
文句は言い合っていますが、
疲れと究極の状況と、頼れるのは仲間だけという意識で本気で怒っていません。
もう、あきらめと超越した意識がなんだか楽しい雰囲気になっています。
仕方なしに駅の手洗いで水をがぶ飲みしました。
「タバコないんか?」
「とっくにないわ!!」
「タバコ、吸いたいなぁ、、、。」
そんな会話をしていると
向うの方から酔っ払いがフラフラ近づいて来ます。
なんだか楽しそうに千鳥足でこっちへ来ました。
「あれ?」
「こんばんわ!」
「?」
「もう、電車、ないですよ!」
「あ、そう、、。」
「飲んではりますね?」
「おー、うん、飲んだ、、。」
「まぁ、電車もないですから、こちらへお掛け下さい。」
「あ、ありがとね、、。」
僕は酔っ払いを駅の長椅子に座らせました。
「お勤めですか?」
「ふん、、」「ご苦労様ですね、、。」「そう、ご苦労さんやね、、。」
「毎日、大変ですね。」「う、そやねん。」
「ところで、お酒の後はバナナが身体にイイってご存知ですか?」
、、、、、、。
僕らはタバコをゲットしました。
いえ、決してダマした訳でも、奪った訳でもなく
至って正当に交渉して、僕らのバナナとタバコを交換してもらいました。
バナナをおいしそうに頬張った酔っ払いは
機嫌良く、タクシー乗り場へ行きました。
何度も、何度も僕らにお礼を言いながら、、、。
僕らは眠る事にしました。
駅のベンチや長椅子で身体を横にしたのですが
蚊に刺され、かゆくて、うるさくて眠れません。
その度にトイレの水で冷やしますが、蚊の襲撃は納まりません。
「、、、、、もう、寝られへんな、、。」
?
リードギターは
蚊に全身刺されながらもスヤスヤ寝入っています。
「!!!!!、、、。さすがや、、。」
「負けるわ。」
本当にサバイバーなのは意外にもリードギターなのかも知れません。
時計は4時を過ぎました。
暑く、かゆく、たまりませんでしたが、そんな中で僕らは意識を失いました。
次に気が付いたのは
たくさんの人の音です。
革靴が目の前を、と言うか、
僕が地面に寝ているのでどうしようもないのですが
たくさんの靴が目の前を通り過ぎています。
始発電車が動き出したのです。
駅で寝ていた僕はムックリ起き上がったのですが
通勤の人たちは出来れば関わりたくないという感じで
僕の方を見なかった事にしているようです。
立ち上がると2人はとっくに起きていました。
「んじゃ、俺ら帰るわ。」
「おう、気を付けてな。
、、、、、、、、、
ありがとう。」
二人の原付を見送り、僕は駅のトイレで顔を洗って電車に乗りました。
電車は、まだ人気が少なく座れましたが
向いのオッサンや女の人など
僕の汚さに目を逸らせています。
どう見られようと気になりませんでした。
僕は、自分たちがやりたい事を
やりたいようにやれた。
そんな充実感で
電車に揺られて、また眠りました。
家に帰ると
ボーカルが風呂に入っていました。
「あんたも次に入り、出てきたらにしんそば食べ。」
僕の母が朝の早くから迎えてくれました。
風呂で茶色の汁を洗い流し、
その後に食べたにしんそばの旨かった事。
きっと死ぬまであんな旨いにしんそばは食う事はないでしょう。
2階の僕の部屋では
サイドギターがスヤスヤ寝入り、
ボーカルが尻に一発蹴りを入れて
僕らも布団で眠りました。
サバイバルキャンプ。
これ以降、僕らのバンドは夏になると恒例行事として
海へキャンプに行く様になりました。
(バンドの思い出・キャンプ 終わり)