イラストレーターの和田誠が監督脚本&小泉今日子主演で贈るロマンティックコメディ「怪盗ルビイ」(1988年)をご紹介します。
冴えない会社員、林徹(真田広之)が母親と暮らすアパートの上階に加藤留美(小泉今日子)が引っ越してきます。
(いきなりハンフリー・ボガートのポスターという和田誠ワールド。ニヤリ。)
留美=ルビイに請われて引っ越しの手伝いをする徹は魅力的な彼女にドキマギ。
ルビイは自分がスタイリストというのは仮の姿で真の姿は怪盗であると徹に打ち明け、彼を泥棒稼業に誘います。
生真面目で不器用な徹ですが、ルビイの魅力に心を盗まれちゃうんです。
で、徹はルビイと裏家業を嫌々始めますが、アクシデントや徹のドジやら、ターゲットの誠実さで未遂どころか赤字に。
でも、徹の平凡で退屈な日常がルビイという魅惑のトリックスターの登場でワクワクな毎日に変わります。
しかしその一方、徹は泥棒を頑張るも、ルビイに男として見られないまんま。
さらにはルビイに男の影がチラホラ。…
ガックリした徹が泥棒稼業撤退をほのめかすたびに、徹はルビイの掌の上で転がされまくる、という男の定番って感じがよい。
さて、徹の片思いはどうなるんでしょ?…というシャレオツなラブコメです。
日本におけるイラストレーターの草分け的存在、和田誠。
文章を書き、絵本も作るマルチアーティストです。
たまたま角川春樹から勧められ、「麻雀放浪記」で映画監督と脚本家まで始めた和田誠。
そんな才人の映画監督脚本第二作が「怪盗ルビイ」で、今作では作詞作曲も手掛けています。スゴすぎ。
原作の主人公は男性なんですが、和田誠は脚本を中々書けずに苦しんでいたんです。
ある日、ふと閃いた和田誠。
「そうだ、小泉今日子を主人公にしよう!」。
決めたらスイスイ筆が進んだそう。実質、「怪盗ルビイ」はKYON2の当て書きなんですね。
KYON2可愛い!顔小っさ!
テーブルの上や窓辺に座り、ネコのような愛くるしい仕草と魅力炸裂です。
KYON2の登場シーン毎に衣装も変わるファッションショー。
彼女はおしゃれですからね。
「麻雀放浪記」でアクションスターからの脱皮のチャンスを和田誠から得た真田広之の優男っぷりも良い。
全体にほのぼの感がハンパなく、和田誠のイラストと同じムードです。
ルビイの部屋は、80年代の若者達憧れのライフスタイルでしたね。
細かなことは置いといて、とにかく優しい世界。大らかで良い時代だったんですよ。
「怪盗ルビイ」、よかった! オチも最高!!