シェリル・クロウの初ヒット曲はデビューアルバム「Tuesday Night Music Club」からの3rdシングル「All I Wanna Do」。
"Selections from My CD Collection (Various)" Photo by Jazz Guy
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「All I Wanna Do」がヒットした結果、アルバムもヒット、グラミー賞で3冠を手にする快挙を成し遂げています。
「All I Wanna Do」はライブアルバム「ライヴ・フロム・セントラルパーク」等にも収録されています。
シェリル・クロウらしいカントリー調のサウンドはポップで楽しいムード。歌詞は一見ポジティブ。
「私の望みは楽しむことだけなのよ」と歌うシェリル・クロウ。
大方の人達は服をビチャビチャにしながら洗車して、それぞれ職場へ行く。
でも自分はその洗車場の向かいにある店で朝からビールをあおっている。
「私はただ楽しみたいのよ」 。
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この歌のけだるいメロディと歌詞の背景には、自堕落や虚無感、敗北感といったネガティブなムードがあります。
それが分かると「ただ楽しみたいだけ」という歌詞は、刹那な印象になってきますね。
シェリル・クロウは自身の心境-苦労した下積み時代を振り返って歌っているのかもしれません。
でも、この歌のヒット以降、「オール・アイ・ワナ・ドゥ」への彼女自身の視線は変わっているんじゃないかな、と想像します。
彼女のヒット曲「Everyday Is a Winding Road」(1996年)にもあるように、人生は曲がりくねった道。
気づくと前よりちょっと良くなっている、ということも。
人はそうやって生きてゆく。
「ただ楽しみたいだけ」というのも悪くない、と思いますね。