「バニラ・スカイ」(2001年) | ネコ人間のつぶやき

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 ある富豪の青年が経験する悪夢か現実かはっきりしない世界を描いたキャメロン・クロウ監督・脚本「バニラ・スカイ」(2001年)。


 公開時映画館で観ましたが、昨夜20年ぶりに観直しました。


"香草天空 Vanilla Sky" Photo by K嘛

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 殺人事件容疑者の仮面の男が取調室で精神分析医のマッケイブ(カート・ラッセル)とやり取りをしている。


 仮面の男はデヴィッド(トム・クルーズ)。


  大手出版社のトップにしてハンサムなプレイボーイのデヴィッドは、ジュリー(キャメロン・ディアス)とカジュアルな関係を楽しんでいた。


 デヴィッドは誕生パーティーに親友のブライアン(ジェイソン・リー)が連れて来たソフィア(ペネロペ・クルス)に一目惚れ。


 しかし、嫉妬したジュリーの運転する車が暴走の末にクラッシュ。


 同乗していたデヴィッドは一命を取り留めたが、大怪我で顔は見るも無惨になっていた。


 ここからデヴィッドの人生は暗転してゆく。…


"48027918_Penelope_Cruz_Vanilla_Sky" Photo by Sato_

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 何度も「目を覚まして」と言われるデヴィッド。


 凝った作りですね。


 観客は徐々に「何が現実で何が夢か?」という疑問がわいてきます。


 それはデヴィッドの疑念でもあるんですね。


 デヴィッドの暮らしは端から見れば、モネが描いた空~バニラ・スカイのようにパーフェクト。


 しかし、デヴィッドも自覚していますが、何も考えずにずっと生きている。


 父親が大出版会社を作り、その株を相続した彼は不自由していませんが、内心虚しいのです。


 「あなたの幸せは何?」と尋ねられるデヴィッド。


 デヴィッドは今まで自分の幸せについてさえ考えてこなかったのです。


 そんなデヴィッドの変化に注目。


 人は足りないものを思い描く。


 それが夢や願望であり、願うのは幸せという謎の答えなのでしょう。


 個人的には怖い話だと思いましたが、その一方、ニューヨークの街がとても美しく撮影されています。


 特にオープニングの誰もいないタイムズスクエアのシーンはとても印象的。


 音楽の趣味や、ちょいちょい垣間見えるオシャレ志向はキャメロン・クロウという感じでしょうか。

 

 スぺイン映画「オープン・ユア・アイズ」(1997年)に感銘したトム・クルーズがプロデュースをしてハリウッド・リメイクした、と記憶しています。


 ペネロペ・クルスはオリジナルと同じ役で本作に出演したとか。


 ペネロペ・クルスはとても印象深かったですね。