「レッドクリフ PartⅠ」(2008年) | ネコ人間のつぶやき

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 今回は三國志の「赤壁の戦い」をジョン・ウー監督が描いた「レッドクリフ」二部作の前編「レッドクリフ PartⅠ」(2008年)です。

 

"赤壁 Red Cliff" Photo by KMar Tsai

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 PartⅠは赤壁の戦いに突入する直前までを描いています。 

 

 ジョン・ウーの映画に欠かせない白いハトもモチロン登場します。登場して安心する自分がいました。

 

 舞台は今から1800年前の中国大陸。漢王朝が衰退し、乱世の時代となっていた。

 

 曹操、孫権、劉備の3つの勢力がしのぎを削る戦国時代。

 

 曹操は大軍を率いて若き皇帝を操る一大勢力の頂点。

 

 曹操は剛腕なワンマン・リーダーで、部下にも国民にも厳しい男です。

 

 劉備は漢王朝の末裔ですが、元は田舎でわらじ売りをしていた男。

 

 「いつか天子の馬車に乗る」と天下統一のため打って出るも、戦に負け続けています。  

 

 しかし劉備の元には稀代の戦術家・諸葛亮孔明(金城武)を始め、優秀で忠実な臣下が集まってくるんです。

 

 それは劉備のあたたかな人柄、人徳なんですね。

 

 諸葛孔明は「レッドクリフ」では主人公の1人です。

 

"red cliff 08" Photo by calansa

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 ある日、曹操の80万の大軍に追い詰められた劉備軍。

 

 孔明は孫権と同盟を結ぶために呉に向かい、この地で孫権が全幅の信頼を置く総司令官の周瑜(トニー・レオン)と出会います。

 

 周瑜がもう1人の主人公。音楽に精通する周瑜も切れ者の戦略家です。

 

"red cliff 20" Photo by calansa

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 絶世の美女・小喬(リン・チーリン)は周瑜の愛妻ですが、曹操は片思いの小喬の絵を描き、毎日眺めている。

 

 呉を制定した際には小喬を奪う気なんです。

 

 寵愛した驪姫の名前をあえて聞かずに「小喬」と呼ぶ曹操。

 

 小喬の代わりにされたことを悟った驪姫は涙を浮かべる。

 

 部下は「女のために戦を始めたのか?」と小声でつぶやく。

 

"red cliff 34" Photo by calansa

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 友情で結ばれた周瑜と孔明。

 

 孔明は宴の際に赤壁の戦い後に劉備と孫権が対立するのでは?という場面を見る。

 

 孔明は友人同士も戦場で相まみえる日が来るんじゃないか?と周瑜に話して心配しますが、周瑜は「私もそなたも主に仕えるのみ」。

 

 周瑜と孔明の友情もアツいけども、主君が争えば忠臣ゆえに友人同士もまた戦わざるを得ない。

 

 忠誠と友情は三國志の醍醐味ですが、難しい時代の友情物語なんですね。

 

"red cliff 64" Photo by calansa

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 三國志を読んでいなくても心配いりません。人物紹介的にわかりやすいエピソードを入れていますから。

 

 PartⅠはキャラクター説明に終始した感があるかな・・・。

 

 登場人物が多いから致し方ないとは言え、二時間半は私には長丁場でキビシイものがありました。

 

 ジョン・ウーの演出はマンガチックで、それがスタイリッシュだったと思うのですが、長い尺だと少々ダレてしまうように感じました。

 

 後編の「レッドクリフ PartⅡ~未来への決戦」(2009年)は次回レビューしますね。