前回に引き続き、今回はジョン・ウー監督が三國志の赤壁の闘いを描く二部作の後編「レッドクリフ PartⅡ~未来への決戦」(2009年)です。
"赤壁 Red Cliff Part II" Photo by KMar Tsai
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いよいよ劉備&孫権同盟軍vs.曹操軍が赤壁の戦いで激突します。
疫病が流行ったため、劉備は決戦を前に部下と民の命を優先して退却。
孫権の陣に劉備軍から独り残ったのは天才軍師・諸葛亮孔明(金城武)。
周瑜(トニー・レオン)と孔明の友情。しかし、戦という特殊な状況。
友人とはいえ、時に失敗=命を奪われる、という厳しく危うい綱渡りな場面もあります。
2人は自分の読みに自信があるという描写でもあるのですが、シビアな時代なんですね。
周瑜&孔明の戦術眼が冴えまくります。
曹操と周瑜&孔明の読み合いがたまりません。
互いに相手の出方を見切っているんですね。
そういう状況で、相手を出し抜くために駆け引きをし合う。
"red cliff 66" Photo by calansa
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そしてついに長江を何十万という曹操軍が艦隊でやって来る。
孫権軍が天候を制するためにはしばしの時間が必要。
小喬(リン・チーリン)は、曹操が自分に片思いしていると知り、夫の周瑜の力になるべく独断で独り敵陣に向かう。
周瑜と小喬のロマンスを血だらけの戦いに織り込むジョン・ウー監督。
リン・チーリンはびっくりするくらい美しかった。
"red cliff 31" Photo by calansa
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それにしても、群像劇って難しいと思います。特に三國志のような人気作は。
どうしても多くのキャラクターの見せ場を作らなきゃ、となるのかも。
結果的に「レッドクリフ」がアベンジャーズ的になったような気がしました。
大袈裟な演技と劇画的な演出も相まって、子どもっぽい描写になったのが個人的には残念。
それでも面白さを体感出来ますね。
アツい男の友情。
そして何と言っても 「ジョジョの奇妙な冒険」なんかもそうですが、圧倒的不利な状況を知性でひっくり返す痛快さ。
赤壁の戦いの時、周瑜が33歳、孔明にいたっては27歳くらいだったんですね。
昔の人はすごく大人っぽかったと思いますが、彼らは今よりも人生をあっという間に駆け抜けて行く感覚が強かったんじゃないかな…。