「ベイビー・ドライバー」(2017年)は犯罪組織の逃がし屋をする若者が、恋に落ちて生き方を変えようとする姿をスタイリッシュな映像と音楽で描くクライム・アクションです。
"baby driver poster" Photo by NEPA Scene
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天才ドライバーのベイビー(アンセル・エルゴート)は、犯罪組織のボス・ドク(ケヴィン・スペイシー)への借金返済を兼ねて逃がし屋をしています。
幼少期の事故で愛する母親を失ったベイビー。
彼は音楽を聴くことでのみ事故の後遺症の耳鳴りから解放されているんです。
母親が働いていたダイナーに通うベイビーは、ある日ウェイトレスのデボラ(リリー・ジェームズ)と出会います。
ベイビーは歌を口ずさむデボラに歌手志望だった母親の面影を観たんでしょう。
デボラに恋したベイビーですが、犯罪に手を貸してきた自分と彼女は「住む世界が違う」とも感じる。
しかし、里親のジョセフは心根の良いベイビーに「お前はあっち(犯罪者)の世界じゃない」と手話で言ってくれます。
10年かけてドクに借金を完済したベイビーは真っ当な暮らしを始めます。
しかし、ベイビーの才能を手放したくないドクから新たな仕事を頼まれてしまいます。
断ればデボラとジョセフに何が起きるか分からない。
仕方なく郵便局襲撃の計画に乗るベイビーでしたが・・・。
"Baby Driver" Photo by Craig Duffy
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ベイビーは出会って間なしにデボラを「君は奇跡のひと」と言う。
生き方を変える時って、本人の一世一代の努力だけでなく、こういう奇跡的な、運命の出会いがある。
不思議ですけどもね。
ベイビーにとって平安な世界は遠いセピア色な昔の話。
それがカラフルな現代に蘇るのるなら最高なわけで。
終盤は結構凄惨なのに、見終わると不思議な清涼感。
運命の恋+クライム・ムービーと言えば「トゥルー・ロマンス」(1994年)ですが、「ベイビー・ドライバー」の方が爽やかで好きですね。
主人公の背景にある荒んだ世界とピュアな恋人たちのコントラストがすごく効いているんです。
映像と全編に流れる音楽も趣味が良くて素晴らしいですね。
オープニングのベイビーの超絶ドライビングからのタイトルバックの長回しはミュージカル調でオシャレ。
何気なく見始めていたら魅入っていました。
心根の良さ、普段からの優しさは大事ということです。ラストシーンがまた良い!