今回はSF映画の秀作「ミッション:8ミニッツ」(2011年)です。
スティーブンス大尉(ジェイク・ギレンホール)は列車爆破事件の被害者の一人の意識に入り込んで犯人を捜すミッションを行っていたが、何度も時間ループを繰り返すうちに自分の状況に疑いを抱くように・・・。
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スティーブンスが気がつくと、毎回同じ状況に置かれます。
列車の座席でクリスティーナ(ミシェル・モナハン)という見知らぬ女性が自分のことを「ショーン」と呼んで話しかけてきます。
ガラス窓に映る自分の姿は別人。
爆破後、目覚めると自分は暗いカプセルの中にいる。
モニターからグッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)が状況を尋ねてくる。
そして再び事件発生の8分前に送られるスティーブンス。
何度もループしてゆくうちに、スティーブンスはラトレッジ博士(ジェフリー・ライト)が開発したプログラムによって、犠牲者のショーンという男の脳に意識を転送されていると知るのです。
ショーンの記憶の残渣を追い、死を何度も体験させられるスティーブンスは、そのたびにクリスティーナを直前まで見ている。
スティーブンスは時間ループをしているうちにクリスティーナに惹かれ、彼女を救いたいと考え始めます。
しかし、博士は厳しい態度でそれは不可能であり、ミッションは犯人を探し出して確保して次の爆破テロを防ぐことだ、と言うのです。・・・
"246/365" Photo by GmanViz
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ジェイク・ギレンホールは相変わらず巧い。だから、主人公の心情に観る者は引き込まれます。
ストーリーはとても(コワくもあり)おもしろかったですね。
そして最後に感動がやって来ました。
やりとりするうちにスティーブンスと不思議な信頼関係が生まれたグッドウィンの「心から敬意を。退役おめでとうございます」という言葉がこうグッときたわけですね・・・。
さて、若い時はそうでもないけども、特に中年以降は身体の衰えを痛感したり、大病を患う等して自分の死をどこかで意識するようになるものです。
それで「人生最期の瞬間まで自分はどうしていたいか?」とか想像したりします。
で、本作を観て思うのです。
その時までは、自分自身と誰かに「これで終わりじゃない」・「きっとうまくいく」と言っていたい。
それから、きっと悔いのない人などいない、ということ。
だからこそ、やり残したことがないように、「今日を悔いなく生きよう」と思うのですね。
スティーブンスのように。