ワールドカップがいよいよ決勝戦。メッシ、頑張れ!サッカーの話は後日にするとして、今回はクリスマス映画?をお届けします。
「リーサル・ウェポン」(1987年)は、メル・ギブソン演じる向こう見ずな刑事とダニー・グローヴァー演じるベテラン刑事の活躍と友情を描いた80年代を代表するバディ・ムービーです。
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冒頭、主人公の2人が対照的な人物であることが描かれます。
マータフ(ダニー・グローヴァー)は良き家庭人。
ロサンゼルス市警本部捜査第1課でも人望厚いベテラン部長刑事。愛猫家です。
一方、リッグス(メル・ギブソン)は3年前に愛妻を亡くして以来、悲しみに暮れて自暴自棄になっています。
自死を試み踏みとどまって独りむせび泣くリッグス。
リッグスは腕の立つ刑事ですが、あまりに無鉄砲なために所属する薬物対策班では厄介者扱い。年金狙いと陰口を叩かれ仲間外れにされています。
孤独な男の定番ですが、リッグスは海辺で独りトレーラーハウスに住み、愛犬が彼の孤独を癒しているんです。
マータフの旧友の娘が不審な死を遂げた事件が起き、助っ人としてリッグスがマータフの元に配属されてきます。
トラブルメーカー登場にマータフは頭を抱えますが、優しい男なのでリッグスを自宅に招き、家族と一緒に食事をするんです。
マータフの妻と3人の子ども達もリッグスを温かく迎え入れます。リッグスは最初戸惑います。
その後反発し合い、助け合ううちにマータフとリッグスの間に絆が芽生え始めるのですが、このプロセスが感動的。
絶望して危ういリッグスはマータフの優しさによって生きる気持ちを取り戻してゆくんですね。
事件解決したクリスマスイヴの夜。
マータフの家を訪れたリッグスは、マータフの娘にリボンを結んだ銃弾をマータフに渡してほしい、と頼んで去ろうとする。
リッグスが「俺は生きる決意をした」という意思表示をマータフにしたんです。
それがリッグスから心配してくれていたマータフへのクリスマスプレゼントということなんですね。
するとマータフが慌てて追いかけて来て「水臭いぞ。俺だけ妻の不味いチキン料理を食わせる気か?」とリッグスを自宅に迎え入れる。
このくだりはググッときますね。
いい人顔のダニー・グローヴァーがマータフの人柄とマッチしているし、メル・ギブソンのちょっと危険な雰囲気がリッグスにピッタリでした。
「リーサル・ウェポン」はシリーズ化されて、2作目以降どんどんコミカルなやりとりが増えてゆくんです。
特に「リーサル・ウェポン2/炎の約束」は、当時レンタルビデオで何回も観たな~。
どうしてもリッグスのマーシャル・アーツを見せ場にすべく、強引に格闘技でタイマン勝負にもっていくのも、このシリーズの定番かな。
80年代の刑事ものらしく、無茶苦茶なド派手アクションでリアリズムはゼロ。
だから、細かいことは突っ込まずにエンタメと割り切って楽しむべし。
観直したら驚くほど大味で驚きましたが、いかにも80年代的な作風で今も好きですね。