新年あけましておめでとうございます。 皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回ご紹介する「ムトゥ 踊るマハラジャ」(1995年)は、日本におけるボリウッド映画ブームの先駆けとなった名作ですね。
"Muthu" Photo by mlanghans
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大地主ラージャの使用人ムトゥ(ラジニカーント)は主人からの信頼に厚く、同僚の使用人たちから慕われる人気者。
強欲なラージャの叔父アンバラッタールがラージャの財産を狙い、娘のパドミニと結婚させようと企んでいたんですね。
ラージャは旅回りの劇団の看板女優ランガ(ミーナ)に一目惚れ。ラージャとムトゥは、ランガを巡業先に送りますが、そこへ借金取りが現れてランガをさらおうとします。
で、ラージャたちとバトルになる。ラージャの指示でムトゥはランガを連れて逃亡しますが、最初はケンカばかりの二人は惹かれ合うように。
ムトゥは、ラージャと彼の母親である大奥様に恩義を感じている忠実な男。なので、この三角関係はかなりマズイ。
アンバラッタールのスパイがムトゥとランガが密かに愛し合っていることを知り、ムトゥを追放する悪だくみを始める・・・というか、はっきり言ってストーリーは別にいいんですよ。
"Muthu" Photo by mlanghans
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例えば、夜の10時に逢瀬のメモのくだりで、「これ、どうやってまとめるのかな?」と観ていたら、大奥様が一言。
「歌って踊るためでしょ?」。で、素晴らしきダンスシーンが唐突に始まる。
突然ダンスシーンが登場するのはインドというお国柄だそうです。
くよくよ考えるなんてせずに、歌って踊って・・・というね。素晴らしい文化ですね。
アクションシーンもタオルヌンチャクとかでなんだかユルくていいし、笑いもベタで安心します。
舞い散る花びらと金・紫・緑の色彩鮮やかな衣装に身を包んだ男女の絢爛豪華なダンスに心奪われ、ミーナの美貌に惚れ惚れし、ムトゥの人徳と名言に心打たれる。
「観る極楽浄土」とはよく言ったもので、観ているだけで幸せな気分になるんですよ。
主題歌の歌詞や冒頭のムトゥの祈りにあるように「すべての人に幸せを」。これが「ムトゥ 踊るマハラジャ」のメッセージなのです。