クリスマスも近いと言うのに暖冬で師走とは思えませんね。今回は香港の街をさまよう5人の青年たちの邂逅する姿を名匠ウォン・カーウァイ監督がスタイリッシュな映像と演出で描く「天使の涙」(1995年)です。
"Fallen Angels (1995) 720p.BRrip.Sujaidr (Duo luo tian shi).mkv_snapshot_00.55.58_[2018.02.27_10.27.42]" Photo by mayo langley
source: https://flic.kr/p/Pj4UDK
殺し屋(レオン・ライ)と相棒のエージェント(ミシェル・リー)は互いに関係が終わりに近づいていると感じていた。
殺し屋は引退を伝えるためエージェントと待ち合わせるもすっぽかす。
行きつけのバーでエージェントは殺し屋の伝言通りにジュークボックスの曲をかける。それは失恋ソングだった。
殺し屋は金髪の女(カレン・モク)と出会ってぬくもりを求めあう。その頃、エージェントの女は殺し屋の部屋で独り泣く。
"Fallen Angels (1995) 720p.BRrip.Sujaidr (Duo luo tian shi).mkv_snapshot_00.37.24_[2018.02.27_10.06.30]" Photo by mayo langley
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エージェントの女が住む安宿の管理人の息子・モウ(金城武)は口がきけない青年。
モウは夜中に他人の店に忍び込んでは勝手に営業を始め、チンピラに無理やり食わせたり、という生活。
決して裕福な暮らしではないけれど、モウは日々を楽しんで生きている。
ある時、失恋したばかりの女(チャーリー・ヤン)と出会って初めて恋をするが、女は前の恋を忘れるまでの間限定でモウと会っているのだった・・・。
"Fallen Angels (1995) 720p.BRrip.Sujaidr (Duo luo tian shi).mkv_snapshot_00.59.49_[2018.02.27_10.32.04]"
Photo by mayo langley
source: https://flic.kr/p/Pj4UuB
男女はそれぞれ期間限定の関係なんですね。だから切ない雰囲気です。
片方にはまだ思いが残っている、あるいは相手に期待している。でも、それが通じない。
青年5人は皆孤独や喪失感を抱えて夜の街をさまよっています。そしてふとすれ違い、そして出会う。
"Fallen Angels (1995) 720p.BRrip.Sujaidr (Duo luo tian shi).mkv_snapshot_01.11.38_[2018.02.27_10.45.29]" Photo by mayo langley
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ラストシーンが印象的でしたね。バイクで走る2人。背中に感じるぬくもり。それが明日にはわからなくとも、今はリアル。
そして心のなかでは永遠。終わらせた関係はもう過去になのでしょうか？
この先はどうなるのか、わからない、ちょっと不穏な感じが気になります。
"Fallen Angels (1995) 720p.BRrip.Sujaidr (Duo luo tian shi).mkv_snapshot_01.01.17_[2018.02.27_10.34.20]" Photo by mayo langley
source: https://flic.kr/p/2aiGnY1
「天使の涙」は元は「恋する惑星」(1994年)の１エピソードとして作られた物語を独立した作品として製作したのだそうです。
確かに「恋する惑星」にこれらの話があっても違和感ない。観て納得ですね。
「恋する惑星」にも出演していた金城武が天真爛漫で憎めない。天使の笑顔を見せ、それでもって孤独感からくる哀愁がじんわり・・・というモウを好演しております。
それにしてもウォン・カーウァイ監督の映像は独特の色合いです。安食堂さえもオシャレに観えるんですよね。好きだなぁ～・・・。
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