「レオン」等のリュック・ベッソン監督作「アンジェラ」(2005年)は、モノクローム映像で描いたパリの光と影を背景に、愛を知らない男が真実の愛を知る物語です。
この映画については以前書きましたが(→ 記事はこちら)、今回は違う視点でお話を。
"Angel-A-10" Photo by electronpusher
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冴えない男アンドレ(ジャメル・ドゥブース)は、ギャングにあと48時間後に借金を返済しなければならない。
しかしそのメドが立たず絶望し、セーヌ河に橋から身を投げようとする。
ところが自分より先に長身のブロンド美女が橋から身を投げてしまい、アンドレは慌てて飛び込んで彼女を救う。
その美女・アンジェラ(リー・ラムセン)は、アンドレにキスをして彼と行動を共にして何でもすると言う。・・・
"Angel-A-05" Photo by electronpusher
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アンジェラはギャングのフランク(ジルメール・メルキ)の所に行ってアンドレの借金を帳消しにし、さらにはアンドレのためにどこからかでお金をどんどん稼ぐのです。
アンドレは悪い想像しかできないのでアンジェラに稼ぐのをやめほしいけども、罪悪感を抱きながら黙認する。
しかもアンドレはそのお金をイカサマ競馬につぎ込んで再びスッカラカンに。
その時アンジェラは自分が使命を帯びて天からアンドレの元に使わされた天使であることを告白する。
さてダメ男と美しき天使の運命は?・・・というお話。
"Angel-A-09" Photo by electronpusher
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悪い想像しかできないアンドレは自分の不安を想像に投影(=プロジェクターのように映し出すこと)しています。
だから彼は悪い想像しかできないのですね。
でも現実・事実はアンドレの悪い想像とは全く違っていたのです。
悪い想像しかできない=自分の心が不安だらけ。
そしてアンドレの現実も悪い方向に転がっていた。
"Angel-A-01" Photo by electronpusher
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悪い想像していると本当に悪い方に事態が動きかねないよ、と。
アンドレの人付き合いもまた悪縁だらけだったわけです。アンジェラと出会うまでは。
想像にしろ、悪縁にしろ、自分の中の不安やアカン部分の投影なのかもしれませんね。
逆にアンジェラのような良縁とは、自分の中の愛などの良い部分を映した姿なのでしょう。
"Angel-A-11" Photo by electronpusher
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実際アンジェラとの出会いは、埋もれていたアンドレの良いところを引きだすため。
だから想像するなら良いことを。悪縁はスルーするなり断舎利をして、良縁との付き合いを大切にすれば良いのでは。
「想像とは自分の心の鏡」と心得るなら、かなり違うと思いますね。