「それは全く話が別です。
それは “窮地” に立たされたことに由来するに過ぎません。
つまり互いの “大変さ” を意識しあい、それが同情心を生み、少しばかり寛容心が培われるという程度のことです。
団結心にはプラスするでしょう。
困った事態を互いに理解しあう上でもプラスになるでしょう。
それまでの感情的わだかまりを吹き飛ばすこともあるでしょう。
しかし真の宗教心は、それよりもっともっと奥の深いものです。
魂の奥底から湧き出る “人のためを思う心” です。
そして今こそ、地上はそれを最も必要としているのです。
何でもない真理なのです。
ところが実はその “何でもなさ” が、かえって私たち霊を、これまで手こずらせる原因となってきたのです。
もっともったいぶった言い方、どこか神秘的な魅力をもった新しい文句で表現していれば、もう少しは耳を傾けてくれる人が多かったかも知れません。
その方が、何やら知性をくすぐるものがあるように思わせ、今までとはどこか違うように感じさせるからです。
しかし私たち霊は知識人ぶった人間を喜ばせるために、仕事をしているのではありません。
飢えた魂に真理の糧を与え、今日の地上生活と明日の霊的生活に備える方法を教えているのです。
あなた方は永遠の旅路を行く巡礼者なのです。
今ほんの少しの間だけ地上に滞在し、間もなく、願わくは別れ道で迷うことがないように、死後の生活に役立つ知識を身につけて、旅立つことになっています。
あなた方は旅人です。
常に歩み続けるのです。
地上はあなた方の住処ではありません。
本当の住処はまだまだ先です。」
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