大勢の人が霊界へ来て意識の焦点が一変し、初めて人生を正しい視野で見つめるようになり、何とかして縁ある人たちに嬉しい便りを伝えたいと思う、その切々たる気持ちを察したことがあるでしょうか。
ところが、人間が一向に反応を示してくれません。
聞く耳を持たず、見る目も持ちません。
愚かにも人間の大半は、この粗末な五感で感じられるものが存在の全てであり、それ以外には何も存在しないと思い込んでいます。
私たち霊界の者は、大勢の霊が地上へ戻って来るのを見ています。
彼らは、何とかして自分が死後も生きていることを知らせたいと思い、あとに残した人々に両手を差しのべて近づこうとします。
やがてその顔が、無念さのこもった驚きの表情に変わります。
もはや地上世界に何の影響も行使できないことを知って愕然(がくぜん)とします。
どうあがいても、聞いてもらえず見てもらえず感じてもらえないことを知るのです。
情愛にあふれた家庭でも、そうなのです。
その段階になって私たちは、まことに気の毒なのですが、その霊たちにこう言わざるを得なくなります。
“霊的交流の場へ連れて行かない限り、そうした努力は無駄ですよ” と。
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