TCS Command Rules supplementary edition(増補版) (4)

 

項目毎の検討(つづき)
 

ルールとしてまとめるのは、項目毎の検討が終わったらにしますので、とりあえず、参考資料を引用しながら、ルール化する上でのバックグラウンドや合理性を確認できるように整理していきます。

 

 

参考資料:

Field Manual (FM) 1-02 "OPERATIONALTERMS AND GRAPHICS"
 (HEADQUARTERS DEPARTMENT OF THE ARMY), Sep. 2004

 

Field Manual (FM) 3-90 "TACTICS" 

 (HEADQUARTERS DEPARTMENT OF THE ARMY), Jul. 2001

 

 

Supplemental(増補対象項目) ⑤

  • 大隊レベル又は、中隊レベルで(横方向の)作戦境界線を記述する。部隊がFailure Instructionを実行していない限り、部隊の境界を越えることはできない。

lateral boundary [FM1-02] – 
Control measure that defines the left or right limit of a unit’s operational area. Together with the rear and forward boundaries and a coordinating altitude, lateral boundaries define the area of operations for a commander. (FM 3-90) (See page 7-12 for symbol.) 

横方向の境界 –
ユニットの作戦領域の左または右の限界を定義する管理措置。 後方および前方の境界および調整高度とともに、横方向の境界は指揮官の作戦範囲を定義します。 (FM 3-90) (記号については 7-12 ページを参照してください。)

 

 

境界の間口幅は、前出の「Supplemental(増補対象項目) ③」が適用されます。

そちらに記載されているとおり、ゲームルール的には、間口幅ヘクスの両隣ヘクスにLateral Boundariesを引くことにします。

 

Failure Instruction実行時には、敵を避けながらRally Pointへの移動することが最優先となりますので、境界を無視します。(というか、境界を放棄した状態がFailure Instruction実行の状態ですので・・・)

 

 

Supplemental(増補対象項目) ⑥a

  • 境界外側から受けた敵の射撃に対するReturning overwatch Fire (補足 ; Movement-based OWのOverwatch Return Fire) の実行以外は、ユニットがユニット境界を越えて発砲することを許可しないでください。

Supplemental(増補対象項目) ⑥b

  • 大隊がPrep Rating Rollにパスした場合にのみ、境界を越えて他の射撃を許可します。

 

上述の⑥aと⑥bをプレイに加えるに当たって、以下の2点を事前に協議しておく必要があるでしょう。

 

 事前協議事項⑥-1 『射撃別の対応』

上述表の?付き欄の射撃については、参照している記事に明確には記載がありません。

私が妥当かと思われる対応を仮置きしましたが、プレイ前にプレイヤー同士で確認をしておく必要があると思います。(いざとなった時では、冷静な合意が難しいです)

 

 

 

 事前協議事項⑥-2 『Prep Rating Rollの適用範囲』

⑥bの採用によって、Prep Rating Roll(Die Roll Checks[6.14d])によって、射撃可能範囲を広げられることになります。

記事にあるとおり、

only allow other fire across boundaries (i.e. SFAs, movement-based overwatch and fire-based overwatch at another unit) if that battalion can make a roll vs. its prep rating, to represent its ability to communicate with other units and avoid friendly fire.

大隊(Prep Ratingを与えられているのが大隊単位であるため)の同士討ちを避けるための通信能力を表しているとされていますので、大隊単位で判定する事を示唆しているのかもしれませんが、いろいろな方向に発生するOvewatch Trigger等を全て1回のRollで解決するのは、ゲームプレイ的にも不適切のように感じるため、「Lateral Boundaryを超えての射撃毎に判定を行い、同一の行為※に対しての判定は、1回のみ」とすることを推奨します。

※同一行為とは、ユニット(or スタック)"A"(アクションの主体者)がユニット(or ヘクス)"T"(対象者)を射撃する(行為/AF, PF,AT roll等種別によらず)とした場合に、①アクションの主体者、②アクションの対象者、③行為の種類が同じ状態を指すものとします。

 

 

Supplemental(増補対象項目) ⑦

  • 装甲ユニットは、同じOP Sheet上にある場合にのみ、歩兵編成部隊とマップ上のエリアを共有できる。

こちらは記載のとおりですが、ゲームのスペシャルルールごとに、歴史上の状況や実態に応じた特別な条件が規定されてることがありますので、ルールで確認しましょう。

 

 

Supplemental(増補対象項目) ⑧

  • 境界線の変更は、COMMAND PHASE 4)で、変更をOP Sheet上に記入してから、Prep Rating Rollを行う。 (変更に成功するまでは、前の境界線が有効なので、消さずに残しておく)

 

 事前協議事項⑧ 
『Lateral Boundary変更Prep Rating Rollの適用範囲』

こちらの判定は、記事にRollのタイミングが明記されているので、それを採用します。それから、判定はOp Sheet毎に行うことを事前に合意しておく必要があるでしょう。

通常、Lateral Boundaryは、2枚のOp Sheetにまたがりますので、注意が必要です。ここでは、Op Sheet毎に判定することを推奨します。

つまり、片方のOp Sheetのみが変更に成功し、もう一方が失敗して変更できないまま、プレイが進むこともあるということです。

また、こちらのPrep Rating Rollもルール通り、一度宣言してRollが行われたら、成功するまでな振り続けければなりません。こちらも、合意しておきましょう。

 
 

Supplemental(増補対象項目) ⑨

  • 境界線は、わかりやすい地形を使って、できる限り直線を保ってください。
こちらは、書かれている通りの注意事項です。

 

 

Supplemental(増補対象項目) ⑩

  • 境界線の間違った側にいるユニットは、境界線の自分側に戻るまでSFAすることができない。
こちらも、前出の通り同士討ちを避けるため、他部隊との共同射撃ができないという条件になります。間違った側の境界内(つまり、自分の境界エリア外)にいる状態でも、「境界外」の定義は、「本来の自分の部隊の境界の外」という意味で同じですので、”Supplemental(増補対象項目) ⑥”が本来の境界内にいるときと同様に適用されます。

 

 

Supplemental(増補対象項目) ⑪

  • 一部の部隊は広いエリアを守る必要があるかもしれないが、可能な限り規定された部隊前面の広さを守りながら、境界線を設定する。

 

 事前協議事項⑪ 『戦況に応じた間口と境界線の適用』

シナリオ状況によっては、この様な状況が発生すると思われますので、その場合には事前に適用する間口(Unit Frontage)や境界線(Lateral Boundary)の設定の仕方を決めておきましょう。

 

 

つづく