この公演は、まず僕の大好きなTHE YELLOW MONKEYと櫻坂46が出演することからチケットを申し込んだ。
こんなこと滅多にない。
見たことなかったアーティストもいたし、久しぶりに新鮮な気持ちになれると期待してこの日を迎えた。
雨予報なのに傘を忘れ、身につけるアクセサリーも忘れ、写真撮影に使おうとしたアクリルスタンドは忘れ。
準備不十分で萎えている中、そして猛暑の中で代々木第一体育館へ。
席はアリーナのA1ブロック。
アップグレード席を申し込んだが外れ、それでもまあ、と思ったがなかなかの席だった。
出演順は当日にわかる仕組みだった。
sumika
初めてステージを見た。
まず何人のバンドなのかも知らなかった。
前にいるのが主要メンバーなのはなんとなくわかるが、人数の多さにびっくりした。
終始、ファンファーレのように高らかに歌い上げる清々しい楽曲の印象だった。
メロディを楽しんで紡いでいる。
とても優しく、ひとりひとりに渡すように。
トップバッターとしてこのイベントを切り開くアーティストとしては完璧だった。
櫻坂46
ダークな衣装(小林由依卒コン時の衣装)を身に纏い『承認欲求』からスタート。
初見のオーディエンスにインパクトを与えた後に『何歳の頃に戻りたいのか?』へ。
『なぜ恋をして来なかったんだろう?』でも糸を使った演出でさらに印象を残す。
唯一、楽器を持たないアーティストとして、アイドルとして、期待していない人も多かったのだろうかと勝手に思う。
だけれど彼女たちは違う。アイドルの根底をひっくり返した欅坂46からさらにひっくり返し、全て焼き付ける。
最後の『自業自得』まで、誰か一人でもメンバーのダンス、歌、表情に釘付けになったはず。
彼女たちにアウェイは存在しないと思った。
秦基博
アコースティックでの出演。
1曲目から『ひまわりの約束』でオーディエンスの耳を魅了。
ギター一本と歌声だけなのに、この広い会場を満たしていく過程は圧巻。
と、曲が終わると周りを見て「あ、僕も座ってるのでみんなよかったら座ってください・・・素直だな・・・」と笑いを誘う。
途中、ハタリズムと名をつけてバカリズムとのコラボ演奏をした。
一緒にMCをしていたアナウンサーの方がとても鍵盤がうまくて、そちらばかり見てしまった・・・。
ひたすらに癒しを与えてくれる空間で音楽の良さを実感しました。
フジファブリック
彼らは2025年2月に活動を休止することを発表した。
この日、それについてはもちろん語られることはなかったものの、バンドが紹介された瞬間の待ってましたと言わんばかりの歓声は圧倒的だった。
『破顔』が1曲目に演奏された。すごくピリピリとしているように感じた。
「心配なんか何もない さあ行こう」
その歌詞と眩い照明に胸を打たれ、彼らの未来を歌っているようで、涙が止まらなかった。
フジはモデルチェンジしたバンド、志村から山内へボーカルが変わったのだ。
モデルチェンジがまさに今僕の好きなバンドで起こっているわけで。
未来も不安なのだけれど、そんな中でも山内ボーカルでフジファブリックという看板を長い間守ってきた。
その実績はとてもすごいことであり、引き続き応援してきたファンにとっても感謝しきれないことなのだ。
最後の『若者のすべて』までフジファブリック色を落としてステージを去った。
僕はまた会いたくなった。
THE YELLOW MONKEY
トリを飾るのはもちろん彼ら。
僕個人としては、4月に行われたロビン復帰後初ライブ”SHINE ON”に行っていないため後悔が残っていた。
ネットを見ても新アルバムリリースツアーの倍率はとても高そうだ。
そのためこのライブは是が非でも行きたいと願っていたのだった。
アニーとヒーセだけが現れ、セッションをしているといつの間にかエマも加わって『ソナタの暗闇』から始まる。
蛇のように気づいたら体にまとわりついて彼らの音楽の世界に誘う。
ロックバンドと同時にそのキャリアで培った表現力を見せつけてくる。
ロビンの歌声は比較的順調だった。
ただ、MCに入った時の話し声に若干違和感を覚えた。
声が枯れている?喋りにくそうな感じ、咳払いはしていないから痰が絡んでいるわけでもなさそう。
還暦近いバンドのため、ひとつひとつが気になってしまうが、完璧を求めてはいけないと言い聞かせた。
それでも『罠』『バラ色の日々』『太陽が燃えている』など歌い始めると特段気にならない状況。
むしろもっと歌いたいというような圧さえ感じる。
できる限りこのメンバーで活動を続けていきたいと宣言し、感謝と祈りの『JAM』で締めくくった。
久しぶりにフェスではなく、ひとつのステージで多くのアーティストを楽しめた。
このラインナップで良かったと思っている。
そして、このライブ中にゲリラ豪雨が東京都を襲ったとのこと。
外に出たら雨は上がっていた。
やはり僕は、持っている。
end