「パキータ」@東京文化会館 | 明日もシアター日和

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観たもの読んだものについて、心に感じたことや考えたことなど、感想を綴ってみます。

復元振付/演出 アンナ=マリー・ホームズ

音楽 エドゥアール・デルデヴェズ/レオン・ミンクス

上野水香/厚地康雄/清水健太

 

 時間を1時間まちがえたー😖 19:00開演だと思い込んでいて、18:30頃に上野に着いたら、いつもなら大勢の人が続々と文化会館に入っていくのが見えるのに、だーれもいない。えっ?と訳わからなかったけどとりあえず建物に入ったら閑散としている。まさか会場を間違った?とチケットを見たけど合ってる。日にちを間違った?と見たけど合ってる。で、時間?と見たら18:00開演って書いたあったぁぁぁぁぁ゛😫 10分ほどフォァイエで待ち、シーンのキリのいいところで客席に入れてもらえました。その際、自分の席が1階の人はサイド出入口から入った階段で座って観るのだけど、私のように上階席の人は1階最後方壁前で立ち見ね。結局、1幕は終盤の15分くらいしか観られなかった😢 基本のお話は知っているけど、今回の新振付版が前半どういう風なのかは分からないです。

 

 というわけで、ほぼ2幕しか観られなかったので、それに限って言えば、ストーリーをマイムで説明するシーンが多いなあという印象。そのマイムも、ものすごく具体的で細かいし、時々ちょっと陳腐に見える時もあり……。音楽がもったいなく感じたりここでは踊ってほしい!と思ったりしました。特に2幕1場はほとんどがマイムだけなんだけど、それが、かなりコメディー色の濃いコント風。リュシアン(厚地康雄)を亡き者にしたいイニゴ(清水健太)がワインに毒を仕込むんだけど、パキータ(上野水香)の機転でそれをイニゴ自身が飲んでしまい、眠っているところにリュシアン殺害の首謀者ドン・ロペス(マッシモ・アクリ)が現れ、寝ている男を、計画通り毒入りワインを飲まされたリュシアンと勘違いしてイニゴを刺し殺してしまう。悲惨シーンなのに笑っちゃう展開でした😅

 

 でもまあ、完全に厚地さんリュシアン目当てで観に行ったので、最後のグランパ素晴らしかったから良しとします。厚地さん、立ち姿からすでにノーブル、歩けば甘い香りがこぼれ落ちる。ダンスは正確で、ひとつひとつのステップ、ポーズの美しさ、ジャンプした時の形の良さ、そして、振りの最後に手足の先をフワ……スッと伸ばす時のエレガントなこと。眼福でした😍

 パキータの水香さんは、貴族リュシアンとの結婚を(自分がロマなので)身分の差ゆえに断るという控えめな女性……のはずなんだけど、持ち前のコケティッシュな雰囲気が、そういう楚々とした女性にはしていない。明るく溌剌としていて聡明そう。蠱惑的な魅力もカラッとした美しさになっていました。ソロでは本領を遺憾なく発揮👏 グランフェッテで拍手が手拍子に変わっていく……。そういう観客層なんですねー😑 ただ、水香さんも厚地さんもコミカルなマイムはちょっと板についていなくて何かわざとらしさがあったな💦

 

 主役2人以外のソリストたちや群舞は全国の日本バレエ協会会員による混成、というプロダクションなんですね。具体的にどういうところの人たちが、どういう構成でまとまって、どの役を踊っているのか分からないのですが、細かいことを言えば特に群舞のダンスではばらつきが見られたけど、ソリストたちのダンスは良かったです。結婚式シーンは華やかで見応えがありました。

 

 公演の背景を書いておくと(自分が知らなかったもんで)、東京都と東京都歴史文化財団の主催による都民芸術フェスティバルに、日本バレエ協会の公演として参加したもので、それにあたってホームズが「パキータ」を新たに復元演出したのだそうです。

 「パキータ」自体の初演は1846年パリで、ナポレオン占領下にあるスペインが舞台。フランスに占領されてるスペインが悪もんサイドになっているとか、ロマのパキータが実は貴族の出身だったとわかり貴族のリュシアンとめでたく結婚とか、その時代の作品であることを強く感じさせる内容ですね。

 このホームズ版では、スペイン側やロマたちに寄り添った内容にしてあるとのこと(1幕ほとんど観てないので自分の言葉では書けない💦)。2006年パリ・オペラ座来日公演で観たラコット版はプロットが込み入っていたせいか、もはや全く記憶に残っていなくて🙇‍♀️ このホームズ版はそれに比べると分かりやすくなっていると思いました。

 

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