Amazonプライム・ビデオ「グッド・オーメンズ」 | 明日もシアター日和

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観たもの読んだものについて、心に感じたことや考えたことなど、感想を綴ってみます。

脚本 ニール・ゲイマン

監督 ダグラス・マッキノン

マイケル・シーン/デイヴィッド・テナント

 

 先日のドラマ「赤と白とロイヤルブルー」に引き続き、Amazon Prime Videoで配信されているのを観ました。アマゾンプライムの視聴が続いているのは、2021年の映画「DUNE 砂の惑星」PART1を観たくて加入したのを機会に、他にもいろいろ観ているからです。「DUNE」はPART2が今秋公開されるということでその前に、まだ観てなかったPART1を観ておかなくてはと思ったわけですが、全米脚本家組合および全米映画俳優組合によるストライキが続いている影響で、公開が来年に伸びたらしい😑 「DUNE」PART1を観ていろいろ思うところはあったけど(デイヴィッド・リンチ監督1984年の映画「砂の惑星」は観ていて、原作も読んだ!)2年前の公開なので感想は割愛。

 

 

 さて「グッド・オーメンズ」。これはBBCスタジオとAmazonスタジオが共同制作した、イギリスのテレビドラマ・シリーズ(ファンタジー・コメディー)です。2019年にシリーズ1(全6エピソード、1エピソードは45~60分)がリリースされたときに視聴しまして、今回観たのは今年7月にリリースされたばかりのシリーズ2(やはり全6エピソード)です。「オーメン/omen」の文字通りの意味は「前兆、前触れ」ですね。

 

 背景を簡単に書くと、天使アジラフェル(マイケル・シーン)と、堕天使=悪魔クロウリー(デイヴィッド・テナント)は6000年前の天地創造の時以来、地球に住んでいて、やがてそこでの生活に馴染み、人間とその文化が気に入り、現代に至っている。天使アジラフェルはロンドンのソーホー地区で古書店を営み、悪魔クロウリーは高級車に寝泊まりしています。シリーズ1は、聖書に書かれている通りに天使たちと悪魔たちがハルマゲドン(善と悪による最終戦争)を起こそうとしているのを、世界の終わりを避けたいアジラフェルとクロウリーが協力して阻止するというお話でした。

 

 シリーズ2のネタバレ要約→究極の大天使ガブリエルが記憶を失った状態でアジラフェルの古書店に現れる。アジラフェルとクロウリーは協力してガブリエルの謎を解くうちに、以下のことが分かる=「天使と悪魔が再びハルマゲドンを起こそうと企てたところガブリエルは却下、彼は職を解かれ記憶を消されることになる(普通なら堕天使として地獄行き)。彼はそうされる前に自分で記憶を抜いて秘密の場所に隠し、自ら地獄に行こうと思っていたところ、その記憶も無くし、アジラフェルの古書店に来てしまった」。天使たち及び地獄の大公爵ベルゼブブは、ガブリエルを連れ戻すためそれぞれ使者を連れて古書店に集まったが、アジラフェルとクロウリーの助けで、隠しておいた記憶を見つけたガブリエルはベルゼブブと一緒に他の星に去っていく(2人は共にハルマゲドンを避けようとするうちに愛を育んでいた💞)。アジラフェルはガブリエルの後任として究極の大天使に昇格、クロウリーを天使に戻す権限を与えられる。しかしクロウリーはアジラフェルに熱烈なキスをし💖 自分たちも他の星に行き2人で暮らそうと誘う。が、アジラフェルはクロウリーを地球に残したまま天国に帰っていく。おわり。

 

 この作品は脚本/プロットのスタイルがちょっと肌に合わないのだけど、設定がユニークで、シリーズ1も2も全体的には面白く観ました。ただ、シリーズ1が「ハルマゲドンを阻止する」という壮大な話なのに対し、シリーズ2は記憶を失ったガブリエルを助けるという個人のゴタゴタの話で、行動範囲もソーホーの一画ご近所周りでまとまっていて(スコットランドに行くことは行くけど)、スケールダウン感は否めない💦 また、大枠は天使と悪魔の攻防で、そこに人間の女性同士の恋愛をサブプロットにしてあるんだけど、プロットとして必要か?って思う程度のことで、ちょっと退屈でした。

 終わり方から考えれば、これはシリーズ3(アジラフェルとクロウリーの関係の着地点)のための助走的シリーズと思えばいいのかな。天使と悪魔が男女ではなく男性2人が配役されている時点で、2人の関係がどうなっていくかがキーポイントだと、普通は思いますよね😊 シリーズ3があることは仄めかされているようです。

 

 物語とは関係ないことでちょっと思ったのは、サブプロットで描かれるレズビアン同士の恋愛、そういうのがまったく普通のこととして(2人の関係を知った人たちは誰も “お!” とか “ん?” とかリアクションせず)、男女の恋愛のように自然に展開しているところ、とてもイギリスらしいなあと👏

 また、主な登場人物にはさまざまな人種や肌の色の役者、さらには身体障害をもつ役者も配役されていて、女性が組織のリーダーとして普通に男性部下を動かしているし、とにかく多様性が徹底しているのだけど、それゆえ、なおさら気になったのは、東アジア系(中国とか韓国とか日本とか)は役名のある登場人物として出てこないこと(シリーズ1では出ていたけど)。マイノリティーの中でもまだまだ存在感が薄いんだなと思いました。

 

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