IB Stage(バルセロナ国際バレエサマーコース?)のコースの最後にガラ公演が開催され、そのライヴ中継がありました。
「デフィレ」
IBStageの受講生
振付エリアス・ガルシア、音楽アナトーリ・リャードフで、パリオペでやるのとは別物。受講生によるダンスで、レッスンの成果を披露ということかな。最後にガラ公演に出演するゲスト・ダンサーが登場するのかと期待しましたが、なかったです。
「白鳥の湖」黒鳥のパ・ド・ドゥ
ヤーナ・サレンコ/スティーヴン・マックレー
トップバッターって大変。最初こそ空気がつかめなそうで、少し控えめな感じがしたけど、すぐに場を支配して、それからは水を得た魚のように自在に踊る2人。PDDなのに2人ともちゃんと演技しているところもいいです。とくにマックレー、オディールに弄ばれて、悲しんだり喜んだりの表情が丁寧。
サレンコは小悪魔度が少し足りないけど、後半、テクニックの素晴らしさ全開。サポートされてのピルエットは全く揺るがず、ポアント立ちもぶれません。グランフェッテは前半、3回転も見せる勢い。最後は少し乱れたけどね。サレンコの脚のライン、ひざ〜ふくらはぎ/すね〜甲にかけて曲線が綺麗でした。
マックレーは相変わらずソフトでノーブルなんだけど、一旦ソロで踊りだすと、キビキビした動きに早変わり。回転はキリのようで、ジャンプした時の身体のラインに惚れ惚れ。サポートにも安定感があって、良かった〜。
「ジゼル」よりパ・ド・ドゥ
アダ・ゴンザレス/ザンダー・パリッシュ
ゴンザレスさんは初見。ルーマニアにあるバレエ団(Teatre de Ballet Sibiu)所属みたいです。リフトされて浮遊するところが少し重く感じたけれど、表現力は十分で、精霊としての透明感があり、全体的によかったです。
パリッシュは、まず目に付いちゃったのが、太ももの前の筋肉の異常な盛り上がり。すらりとした体型なのにちょっともったいない。で、ダンスはう〜ん、アルブレヒトにしては硬かったかなー。腕の動きにあまり表情がなくて、ノーブルさや悲劇性は感じられなかったです。でも、とっても真摯に踊っています。応援しますよー。
「モシュコフスキー・ワルツ」パ・ド・ドゥ
ダリア・クリメントヴァ/ワディム・ムンタギロフ
振付ワシリー・ワイノーネン、音楽モーリッツ・モシュコフスキー。これ、すごくよかったー! ダリアとワディム、互いにベストパートナーだけあって、2人で1人みたいな動き。2人とも音楽性が豊かで、何より、あんなに生き生きと楽しそうに踊るワディムを久しぶりに見ました。ダリアもハツラツとして可愛らしい感じ。ダンスにはまだまだキレがあり、40歳を超えているとは思えません。ワディムと踊ることで若返っているんじゃないかな。
軽やかな振付だけど、何気にスゴ技も入っています。ワディムがダリアを上に放り上げて、ダリアが空中一回転して、ワディムがキャッチというのを2、3回綺麗に決めてました。フィッシュダイブも勢いがあり(一瞬ヒヤリ)、よかったです。ワディムのいいところは、どんなに難技をこなしても、どうだーって顔をしないところです。イギリスのバレエ団に馴染んでいるはずだわ。
「ブラック・ケーキ」パ・ド・ドゥ
ラリッサ・レジュニナ/フアンホ・アルケス
振付ハンス・ファン・マーネン、音楽チャイコフスキー。2人とも初見。オランダ・ナショナル・バレエのペアらしいです(アルケスはENBにも所属)。タンゴ風のダンスをコミカルにした振付で、男女の関係もユーモラスに描いています。新鮮ではあったけど、ずーっと同じような感じで、飽きたかも。とくに面白いとは思わなかったです。
「瀕死の白鳥」
ヤーナ・サレンコ
これは基本的にダンサーそれぞれの解釈があって、10人踊れば10通りの「瀕死」があると理解していますけど、サレンコは、小柄ながら、それほど華奢という体系ではないし、やはり、少しイメージとは違っていました。肩から腕にかけての動きで決まっちゃうかな、これって。生きようともがく姿にも気品や優雅さがあってほしいし、最期を受け入れる悟りの境地も表現してほしいし、結局は精神性が大事だと思う。短い作品だけど、とっても難しいです。
「サムシング・ディファレント」
スティーヴン・マックレー
本人が振り付けたバレエ味のタップダンス。2012年「ロイヤル・エレガンスの夕べ」で観ましたけど、やっぱり素晴らしいですね。いくらガラ公演とはいえ、バレエ公演でタップを踊るって反則じゃないの? とも思うけど、そういう疑問は横に置いときたくなるのよね、マックレーのこれは。バレエダンサーが踊るタップは、下半身に制約があるだけに、上半身の表現が鍵。マックレーは身体が柔らかくて腕の表情があって、やっぱりバレエダンサーだなーと思う。マックレーはリズム感がよくてバレエに音楽性を感じるけど、それはタップダンスを踊っていたことと関係ありますよね。
「海賊」よりパ・ド・ドゥ
オクサーナ・スコーリク/アンドレイ・エルマコフ
華やかなスコーリク。ゴージャス・オーラを発散しています。身体ラインがきれいで、表現も豊か。大輪の花のような存在感です。上半身裸のエルマコフは、こんなに筋肉質だった? と思うほど逞しい。だけど、ダンスは割と線が細い感じで、奴隷のもつ力強さとかは控えめ。丁寧に踊っていました。もう少し自分を主張してもいいのになーと思うんですが、奴隷の役柄としてはいいのかな。
「ドン・キホーテ」よりパ・ド・ドゥ
タチアーナ・メルニーク/ダニール・シムキン
メルニークは……あー、時間が経ったせいか、実はあまり覚えていない。バランス力高くて、よかったと思う。グランフェッテはすべてシングルで手堅くきましたけど、最後のほうでちょっと崩れてしまったみたい。
シムキンはリフトがやっぱり重そうで、つい心配になってしまったけど、ソロは素晴らしく、完璧と言っていいかも。ピルエットから足を床スレスレまで下ろして、ゆ〜っくり回って止まるとか、ジャンプからの着地に変化をつけるとか、ピルエットのままジャンプし片足着地とか、超絶テクニックを自在に披露。マネージュでは最後に540を見せるのを忘れていませんでした。
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ローレン・カスバートソン/ワディム・ムンタギロフ
ライセンスがないので放映できないとのことで、およそ10分間のブランク。観たかったー!!
「シェヘラザード」よりパ・ド・ドゥ
オクサーナ・スコーリク/アンドレイ・エルマコフ
同じペアが、最初に踊った「海賊」と同じような演目を、持ってくるかなー。女主人と奴隷、エルマコフはここでも上半身裸。スコーリクは艶やかで色気を振りまいています。とっても官能的。エルマコフはもっと色っぽく攻めてもいいんじゃないかなと思いましたが、きっちりパートナーの役割を果たしていて、ダンスも良かったです。
「パキータ」組曲
IBStageの受講生
最後も受講生によるダンス。コール・ドが踊るシーンを集めて編集したのかな。途中まで観ました。