かつて俺は、『僕だけがいない街』という題名の私小説、を無銘の掲示板上に書きあげた。

書いたのはまだ90年代だったと思う。

好きな幼馴染の過去に迫る、いわゆるタイムリープものだ。

しばらくするとそれは某マイナー漫画誌で漫画作品として勝手に連載された。


この作品はその後、ドラマまでされたらしい。


これを掲示板上に書き上げたあと、俺はこれをシリーズ化しようと試み、すぐさま、『  君のいる町 』というタイトルで書きあげた。このタイトルならすぐに続編だとわかると思っての事だ。

しかし、実際は別々の奴に盗られたのでシリーズである事は伝わらなかったようだが。

こっちから別の作家名で書いたというのも大きいのかもしれないが。


調子に乗った俺はその後、同じ名義で『涼香』『  ドメスティックな彼女』という作品をたて続けに書いた。

その後しばらくし、作家名ごと作品を盗られていたのはいうまでもない。そちらもアニメ化とかされたっぽい。

(ちなみに、この漫画家の他の作品は未だチェックしてないのであるかどうかすらしらない。あったとして、誰かの盗作でなければ良いが……。)


※ちなみに、「涼香」というタイトルの由来だが、実は当時買っていた漫画誌に「奈緒子」という駅伝漫画があって毎週読んでいたのだが、それを参考にさせてもらった。


 俺の他の盗作された作品にも言える事だが、盗作された時すぐに公表していればなにかが変わったのだろうか……。







 かつて俺は、無銘の掲示板に

『鋼の錬金術師』

というネット小説を書ききった。

アニメ化された時の名称を借りると、通称・無印だ。


これの劇場版に当たるネット小説

『シャンバラを征く者(しゃんばらをゆくもの)』

も書いた。


すると半年も経たないうちにコミックガンガンで連載が始まった。

間もなくアニメ化もされた。


スピンオフも書いた。

これは無印アニメの中でアニオリとして公表された。


そしてTVアニメ放映に影響され、パラレルワールドも描いた。


それが、

『鋼の錬金術師 FULL METAL ALCHEMIST』

だ。

実際はこういう題名で書いたかどうかまで覚えてないが。


これはアニメ化された時の通称を借りると、FAだ。


これのスピンオフも書いた。それもOAD化された。


もちろんこちらも劇場版

『嘆きの丘の聖なる星(みろすのせいなるほし)』

も書いている。


ハガレンは実写化もされているらしい。見たことないけど。


 実は、無印とFAとでは細かな設定や世界観が違うものの、全くの無関係ではなく、両方実際にあった歴史なのだ。

前の世界で主人公が錬金術のルールを根本からぶっ壊してしまったので、生まれ変わったのがFAの世界なのだ。

少なくとも俺の書いたネット小説はそういうつもりで書いていた。


 俺の作品が剽窃される毎度のパターンとして、地の文やセリフまで完璧なコピペなので、その形跡もそのまま残ってる。


主要登場人物の大半が前の世界の記憶を無意識に引き継いでいる。


いわゆる、菩薩界虚空録(ボサツカイコクウロク)※1、もしくは世界記憶(アカシックレコード)※2と言う奴だ。

つまり、共通して登場する人物の大半が、無印で直情的に動き後悔した行動部分を、FAでは無意識に反省し、やり直したわけだ。※3


 漫画家がそれをどういう風に解釈しつつ描いたかは知らんが、上手く無印とFAとを繋いだようだ。

元の作品が消されて確認出来ないから知らんけど。



そして、FAが大円団として書けて自分でも御満悦だった俺は、もっとこの作品世界を書きたくなった。

そこでFAのスピンオフとして書き始めたのが、

『獣神演義』

だ。


実はこの話は、俺が中学生の頃から暖めていたカンフー漫画の世界観からちょっとだけアイデアを流用したものだ。

と言ってもちょっと似ていると言うだけで、登場人物や世界観などそれとは全く違うが。


 これも最初こそ、FAに出てくるシン国の過去話にしようとしていたのだが、始まった途端、登場人物が勝手に動き出してしまい、思ってたのと違う方向に行ってしまった。

なので、これは全くの別話として考えてもいい。


これも漫画化され、TVアニメ化された。


この作品については、ちょっと失敗したかな?感がある。




※1 菩薩界虚空録(ボサツカイコクウロク)については、俺がネット上に「ハガレン」シリーズを書いていた当時ハマっていたヤングサンデー連載漫画の竹下堅次朗先生の名作『カケル』に詳しい。

て言うか、実在する仏教思想を元にはしているが、ほぼオリジナル設定だ。

未完ではあるが、機会があったら是非読んで欲しい。

今でも通用する深い内容にハマること請け合いだ。


※2 世界記憶(アカシックレコード)については俺の他の作品でも使用した事がある。

詳しくは、『黒執事』で。


※3 この方法は、「ひぐらしのなく頃に」や「うみねこのなく頃に」でも散々やったパターンだ。

同じパターンの使い回しがバレないよう作者名を変更して書くというのは当時頻繁にやっていた。

そこを付け込まれ剽窃されまくった訳だが。