数年前、大手病院チェーンの新入社員研修に出たことがある。
異文化について学ぶ項目では、講師が質問した。
translation と interpretation の違いを知っている人?
私は手を挙げなかったが、正解者はいなかった。
前者は翻訳で、後者は通訳。翻訳は書いたものを訳すことで、通訳は話していることを訳すこと。
南カリフォルニアでは多くの言語が話されているので、病院では通訳サービスが欠かせない。昔は、通訳さん(つまり人間)に来
てもらっていたが、今は画面上に通訳さんが現れる。
英語を話さない80代の女性患者がいた。私は検査を始める前に、説明して検査を受けることを承諾してもらわなくてはならない。
担当の看護師がチャートを見たが、母国語が記されていない。二人で身振り手振りでがんばり、なんとなく「アラブ」と言っているような気がした。
アラビア語の通訳さんに登場してもらったが、この患者さんはアラビア語を話していないという。
また必死で質問すると、どうやらヒンズー語のようだ。
「ナマステー」とヒンズー語の男性通訳登場。話しを始めた。
この患者はインド人だったが、方言(英語では dialect という)を話すので、彼女のことがよく理解できないというのだ。そして通訳の男性はこう締めくくった。
「一番いいのは、ご家族の方に説明してもらうことです」
幸い、しばらくして息子さんが登場してくれたので、無事に検査を終えることはできた。この患者さんは、インドの地方出身で読み書きはほとんどできない、と息子さんが言っていた。
ちなみに、日本語はほとんど役に立たない。どうしてだろう。
