手術室で働いていると、患者の状態が安定している間は雑談がはずむ。別れた奥さんは、医師である自分が忙しいのをいいことに浮気してた、なんて話していた先生もいたっけ。
大好きだったイケメン脳外科の先生は、大のドジャースファン。
2017年のドジャース対アストロズの試合を、ロサンゼルスに見に行く、とはしゃいでいた。
先生が観戦している日。ダルビッシュ選手が投げて、打たれまくった。投手は交代。ドジャースは負けた。ああ、先生がせっかく見に行ったのに残念だな、と思った。
ここは先生に、ちょっとジョークをとばそうと思った。次の週、先生の手術をモニターした後、「ドクターにお詫びしたいことがあるんです」と、真剣な表情で言ってみた。
「えっ、患者に何かあったわけじゃないだろうね」
と、先生は焦り気味。
「先生が見に行ったワールドシリーズで、私と同じ日本出身のダルビッシュ選手が打たれまくりました。だから、おわびしたくて」
すると、先生は大笑い。彼はダルビッシュはいい投手だと言った。
おわびしたい、
I ower you an apology. と言います。
のちに、アストロズは違法にカメラを設置して、ドジャースのサインを解明していたことが判明した。