倦怠感で、ブログを更新する気にもなりません(^^;。
W杯も終わったし、そろそろ以前の調子に戻らないと、と思っているんですが……。
梅雨明け直後は体調を崩しやすいそうなので、無理をしないように気をつけているのですが、なかなかこの暑さに慣れないのは、加齢による基礎体力の低下が原因なのかな、と考えてしまっています(>_<)。
家の猫もぐったりしていますが、動物より気温の変化に強い人間(僕)の方もぐったりしています(^▽^;)。
少し前までは「ゲリラ豪雨」が話題になっていましたが、少しは雨でも降って欲しい、と感じている今日この頃です(笑)。
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そろそろ更新しないと……。
で、軽めの内容からと選んだのが僕的にお薦めの映画の話題です。
最近話題の映画『告白』なんですが、観た人の評判が良すぎるので「とりあえず」観てみようかと軽い気持ちで鑑賞しました。
予告編を観た限りでは、奇をてらった「あざとい」演出の作品のように思われ、全然興味を持てなかったからです。
予告編でおおよそのストーリーは把握していましたが、それ以外の情報はないままでの鑑賞でした。
映画は冒頭、松たか子さん演じる主人公の中学教師「森口悠子」の告白から始まります——。
これが、推理小説での探偵が事件の謎解きをする最後のクライマックス・シーンのようで、冒頭から緊迫した雰囲気で観客を(ある意味暴力的に)物語の中に惹き込みます。
しかも、映画の最初の1/6くらいの段階で、いきなり殺人事件の犯人とその手口を解き明かしてしまい、残りの5/6の部分で一体どうやって物語が進行(展開)していくのか……その構成に驚かされました。
まあ、原作小説を知っている人からすれば、驚くことはないんでしょうが……(^^;。
その後は、主要登場人物たちの告白がその後に続き、複眼的に事件やその背景、およびその後の後日談が語られます。
がしかし、その「後日談」こそがこの映画の主要部分(テーマ)であり、最後に再び主人公の「森口悠子」の告白で終わる、という構成は見事としか言えません。
松たか子 「告白」 PR 1/2
所謂人間の「愛憎劇」と簡単に言えるのですが、描かれる内容や映像が過激かつ刺激的で、上手く言葉で表現出来ないくらい衝撃的です。
また主人公による「復讐劇」とも言えるのですが、その復習計画の全容が分かるラストでは、その恐ろしさに戦慄することでしょう。
原作者は女性なのですが、男の僕の感覚では、「ここまでする」のは女性(母)だからこそ、と感じてしまいました(^^;。
松たか子 「告白」 PR 2/2
原作に忠実に映画化したという「中島哲也」監督ですが、確かにこれまでの作品とは違うトーンなのですが、ここという肝心なところでは彼特有の映像世界が爆発しています。
「中島ワールド」とも言うべき伝家の宝刀(映像効果)を、「ここぞ」というべきところまで抑制した演出は、逆にその効果を倍増させる結果になったと思います。
そして、救いようのない暗くて重いテーマの作品にも関わらず、後味はそれ程悪くはなく、むしろ「爽快感」すら感じてしまう、不思議な作品でもあります。
それは1つに、主人公の復習計画が緻密で完璧なことが影響しているのでしょう。
最後に、「そういうことだったのか!」という気分にさせられるからです。
しかし、各告白で登場人物がリアルに描かれているので、果たしてこの重いテーマを描いた作品を「面白かった」の一言で済ませても良いのだろうか、という疑問を持ちました。
現実に、同じような問題を抱えている人が観たら、「面白かった」では済まないでしょうから。
ここが、この良く出来た映画をどう評価するかの分かれ目でしょう。
この僕の疑問に、中島監督自身が次の記事で間接的に答えています。
中島哲也を変えた時計じかけのオレンジ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
いや~、僕の疑問は監督の術中に見事にはまり、期待通りの反応だったんですね\(゜□゜)/。
この映画『告白』は、映画評論家の中でも「今年度の日本映画ナンバー1」との評価も少なくなく、素人の僕が意地悪く見ても、欠点らしい欠点が見当たらない映画です。
「5年、いや10年に1度出るかどうかの映画」かもしれない、とすら思っています(^^ゞ。
国際的にも十分通用する作品だとも思っています。
『おくりびと』なんかより全然レベルが違う、もの凄く良い衝撃作だと思っているので(^^;、興味のない人も「騙された」と思って一度観てみて下さいm(_ _)m。
あなたの世界観(人間観)が打ちのめされますよ……。
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ストーリー展開や映像だけでなく、この映画はその音楽も内容とマッチしていて大変素晴らしいです。
中島監督は、これまでの作品の中でもミュージカル仕立ての演出をして来ましたが、その音楽センスの良さは特筆ものだと思います。
僕的には「マイケル・マン」に匹敵する、とすら思えています。
音楽が良いと、映画も引き締まります(^^ゞ。
Boris - Farewell
この「BORIS」は日本のバンドだそうです。恥ずかしながら知りませんでした(^^;。
しかし、この映画で一番注目を集めているのは、「Radiohead」の幻の名曲と言われている「Last Flowers」が、主題歌として採用されていることでしょう。
Last Flowers - Radiohead Music Video