"Mother", "God" - John Lennon | Down to the river......

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今日は「母の日」なんですね。

ウチの母親は誕生日が近いので、誕生日と母の日のプレゼントを1つに合わせて渡しています(^^;。

どちらかの日を忘れても、もう1日あるので助かっています(笑)。
手間が省けるので、この点は母親に感謝しています(爆)。

以前は両方の日ともプレゼント(花)を渡したこともあったのですが、さすがにすぐには花は枯れませんからね(^^;。



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母の日なので、「母」に関する音楽を——。






今の若い人は「ジョン・レノン (John Lennon)」どころか「ザ・ビートルズ (The Beatles)」すら知らない人も多いらしいので(^^;、ここでご紹介する意義も少なからずあるのかもしれません。

1970年、ポールの一方的な脱退表明でビートルズは解散——。

解散で一番ショックを受けたのはジョンだったそうです。
「俺が解散させるべきだったし、そのチャンスもあったのに……」と語っていたとか。

その精神的ショックから立ち直るために「プライマル・スクリーム」という精神治療をジョンは受け、その結果自分本来の姿を率直に表したのが、解散後初のソロ・アルバム『ジョンの魂 (John Lennon/Plastic Ono Band)』です。

母の日にご紹介するのは、アルバム冒頭の「Mother - 母(マザー)」です。

ジョン・レノンが好きになるか嫌いになるか、正にその分水嶺となる曲で、マザコンをカミングアウトしたようなこの曲が嫌いな人も多いと思います。

僕も最初に聴いた時は、(当時の時代背景、価値観から)「女々しいなあ」と感じました(笑)。

——ジョンが出生後間もなく、父アルフレッドが失踪(行方不明)し、母ジュリアは別の男性と同棲し始めます(後に再婚)。
そのためジョンはジュリアの姉のミミ夫婦に預けられたという、恵まれない幼少期の体験からこの曲が誕生しました。

ジョンの潜在意識にあった両親への思いがストレートに歌われています。

僕も7、8歳頃に母親を癌で失いかけた経験からか、歌詞の内容・背景を理解してからは、「すんなりと」素直にこの曲が受け止められるようになりました。

いずれにせよ、人間にとって親の存在が思いのほか大きいことを感じさせる「名曲」でしょう。


Mother

母さん ぼくはあなたのものだったけれど
あなたはぼくのものじゃなかった
ぼくはあなたが欲しかったのに
あなたはぼくを欲しがらなかった
だからぼくはお別れを言わなきゃならない
さようなら さようなら

父さん あなたはぼくを捨てたけれど
ぼくはあなたから離れなかった
ぼくはあなたが必要だったのに
あなたはぼくを必要としなかった
だからぼくはお別れを言わなきゃならない
さようなら さようなら

子供たちよ ぼくの誤ちをくりかえしてはいけない
ぼくは歩けもしないのに走ろうとした
だからぼくは君たちにお別れを言わなきゃならない
さようなら さようなら

母さん行かないで
父さんもどってきて

(訳:今野雄二)




Mother - John Lennon





オープニングの重々しい教会の鐘の音——。

10年後、ジョンの生前の最後のアルバム『ダブル・ファンタジー (Double Fantasy)』のオープニングでは、これと対比させるために、軽やかな鐘の音が入れられました。

正に「Starting Over (再出発)」という心境だったのでしょう……。



 ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇ 



おまけに『ジョンの魂』からもう1曲——。

当時「オノ・ヨーコ (Yoko Ono Lennon、日本名:小野洋子)」からの影響で、ジョンは「俳句」に大変興味を持っていました。

この頃ジョンが書いた簡潔な歌詞には、その影響が伺えます。

「ひとつの時代が終わりを告げるために書いた」という「God」は、ビートルズ解散というジョンのショックが痛切に感じられる曲です。

このアルバムのハイライトと言っても良い、これまた「名曲」でしょう。

しかしこの歌詞、今読んでも凄い、というか素晴らしい(^^ゞ。

God

神なんて
ぼくたちが苦悩の度合いを
はかる観念なのだ
くりかえして言おう
神なんて
ぼくたちが苦悩の度合いを
はかる観念なのだ
ぼくは魔術を信じない
ぼくはアイ・チンを信じない
ぼくは聖書を信じない
ぼくはタロット・カードを信じない
ぼくはヒットラーを信じない
ぼくはイエスを信じない
ぼくはケネディを信じない
ぼくは釈迦を信じない
ぼくはマントラを信じない
ぼくはジタを信じない
ぼくはヨガを信じない
ぼくはキングたちを信じない
ぼくはエルヴィスを信じない
ぼくはディランを信じない
ぼくはビートルズを信じない
ぼくは自分だけを信じる
ヨーコとぼくだけを
それが現実なのだ

夢は終った
何を言えばいいのだろう?
夢は終った
昨日までは
ぼくも夢を追っていたけれど
でもいまぼくは生まれ変わった
ウォルラスだったけれど
でもぼくはいまジョンなんだ
だから親愛なる友よ
君たちもがんばろう
夢は終ってしまった

(訳:今野雄二)




God - John Lennon