ある夏の日 | 芋やんぐの芋日記

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以前帰省した際に撮影した広島駅南口。

 

先日ツイッターを見ていると現在のこのあたりの写真が掲載されていたのですが、もうすっかり取り壊されて当時の面影はありませんでした。もうこの場所は取り壊されてしまったんですね…ここはとても思い出深い場所です。


小学5年生のある夏の日。

 

何をしに出かけた帰りだったのか記憶にないのですが、家に帰るために電車に乗ろうと思い、この辺りを歩いていました。すると

おら!うおら!」と野太い声が聞こえます。

 

声の方向を見ると、スキンヘッドに金縁の色眼鏡、真っ赤なアロハシャツを着たおじさまが、キラキラ青く輝くワンピースドレスを着た女性をもう髪の毛掴んで殴るわ蹴るわ、どつき回してました。

後ろでそれを見ていた、同じくアロハシャツを着たパーマ頭の舎弟っぽい若者が「もうやめてください」と止めに来たのですが、今度は彼が「っらあ」と言われながら殴られてました。腰からのヒネリを加えた裏拳だったのを良く覚えてます(次は背中にエルボー)。

ちなみに女性はどつき回されらがらも一歩も引き下がることなく、ずっと金切り声でおじさまに罵声を浴びせまくっています。

小学生の俺はそんな光景をぼんやり眺めながら「あのおっさん、全然日本語喋らんのう」と思いました。

最初から最後まで「おら、うおら、っら、だらあ、はっ、んん」みたいな声しか出さなかったので、もしかしたら服を着たゴリラだったのかもしれません。

今でも目を閉じれば、夏休みの朝の空みたいに真っ青な女性のドレスと、真夏の太陽のようにキラキラと輝くおじさまの頭部があの夏を思い出さてくれます。

そんな思い出のある広島駅南口。その場所がもうなくなるなんて、あんまり悲しくない。

 

 

じゃあまた。