私がアバスチン+パクリタキセルを引っ張り過ぎない理由① | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。

私のブログを読まれた方から、以下の質問をいただきました。





「計画的に再投与」と言う言葉を、私は耳にした事がありません。



私のがん治療に関する知識が浅いだけなのかもしれませんが、それが何を指すのか、どう言った意味があるのかが全く分かりません。



申し訳ないのですが、もし実際にその様な言葉を使われている先生がおられるのでしたら、そちらに直接尋ねられた方が宜しいかと思います。



「症状緩和」「延命」を目指した治療と、私が実際に行なっている、「根治・完治」を目指した治療、についてのリスクに関しては、すでにこのブログで述べています。




そちらを参照いただければと思います。


それよりも、「出来るだけ長く引っ張る」、すなわち薬剤の替え時を見誤る(遅れる)事が、かえって、如何に患者さんの寿命を縮めてしまうか、そちらを考える方が良いのでは、と私は思います。


これに関しても、すでにブログで述べてきました。




アバスチン+パクリタキセル療法を引っ張り過ぎると、次に使う薬剤が、かなり効き辛くなります。


アバスチン+パクリタキセル療法を長く引っ張れば引っ張る程、その分寿命を少しでも長く延ばせる、延命できる、と言う事は誤り、ただの妄想では?と私は考えています。


一つの治療を引っ張れば引っ張る程、乳がんの転移巣を悪性化させ、次の治療への感受性を低下させてしまう、即ち次の治療を使える期間を逆に短くしてしまい、トータルで奏功期間を短くする=かえって寿命を短くする、と私は考えています。



「患者さんを想う心」が、医師には最も大切であると私は思います。



しかし、自らの信念を現実と化す為には、同時に「rationale(理論的根拠)に裏付けられた知識」が必要なのでは、と思います。



患者さんを想う心、理論的根拠に裏打ちされた確かな知識、それらを備えた上で初めて、「臨床医としての圧倒的な経験」が活きてくるのだと、私は思っています。