「ER+ 20%は内分泌療法が20%しか効かない」は正しいのか?② | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。

ルミナルタイプ (ER +)乳がんにおける、乳がん細胞のERとPgRの発現割合(%)を考える上で、大切な事があります。


それは、


①ERやPgRの発現は、DNA, RNA, 蛋白質のどの段階で制御されているのか。


②ER, PgRの発現はどの様な理由で変化するのかを理解する。


です。



①ERやPgRの発現は、DNA, RNA, 蛋白質のどの段階で制御されているのか。


これはとても大切なことなのですが、案外、気にされている方は(たとえ乳がん専門医であっても)ほとんど居られないかもしれません。


ER、PgRの発現は、RNAレベルで制御されています。


ちなみに、HER2タイプ乳がんでは、HER2タンパクの高発現は、DNAレベルで起こります。


そのため、HER2タイプ乳がんでは、HER2遺伝子のコピー数が増加しています。



これと異なって、ER、PgRのDNAコピー数は、通常正常数です。


ERやPgRタンパクの発現を制御する、他の多くの遺伝子発現によりコントロールされています。


よって、ルミナルタイプ乳がん細胞が置かれる環境によって、高発現したり、発現がほとんどなくなったりと、容易に発現状況が変化します。


それにより、以下に繋がっていきます。


②ER, PgRの発現はどの様な理由で変化するのかを理解する。