ルミナルタイプ (ER +)乳がんにおける、乳がん細胞のERとPgRの発現割合(%)を考える上で、大切な事があります。
それは、
①ERやPgRの発現は、DNA, RNA, 蛋白質のどの段階で制御されているのか。
②ER, PgRの発現はどの様な理由で変化するのかを理解する。
です。
①ERやPgRの発現は、DNA, RNA, 蛋白質のどの段階で制御されているのか。
これはとても大切なことなのですが、案外、気にされている方は(たとえ乳がん専門医であっても)ほとんど居られないかもしれません。
ER、PgRの発現は、RNAレベルで制御されています。
ちなみに、HER2タイプ乳がんでは、HER2タンパクの高発現は、DNAレベルで起こります。
そのため、HER2タイプ乳がんでは、HER2遺伝子のコピー数が増加しています。
これと異なって、ER、PgRのDNAコピー数は、通常正常数です。
ERやPgRタンパクの発現を制御する、他の多くの遺伝子発現によりコントロールされています。
よって、ルミナルタイプ乳がん細胞が置かれる環境によって、高発現したり、発現がほとんどなくなったりと、容易に発現状況が変化します。
それにより、以下に繋がっていきます。
②ER, PgRの発現はどの様な理由で変化するのかを理解する。