様々な癌種において、1臓器のみ(肺や肝)の転移で、転移個数が1,2個と少なく、転移巣への手術や放射線治療で、明らかに根治したと考えられる例が散見される様になってきております。
これをオリゴメタスターシス、と定義されつつあります。
特に結腸癌で、昔から報告されていました。
私も20数年前にその様な方を診て、なぜ結腸癌の転移だけ治ることがあるのだろう、と疑問に思いました。
それが、乳がんの転移も治るはずだ、と考えた理由のひとつです。
オリゴメタスターシスが明確に定義されていない理由のひとつは、おそらく今はまだ、治る人がいると言う現象を見ているだけで、どの様な場合に治って、どの様な場合に治らないか、明確に分かっていないからだと思います。
つまり、治る場合もあれば、治らない場合もあるからです。
おそらく、これまで試みた先人のやり方では、まだまだ治らない事が多いからだと思います。
でも、どう考えても治ったと言わざるを得ない場合が確実にあり、それで世界中でオリゴメタスターシスの概念が固まりつつあるのだと思います。
このことから少なくとも、「転移・再発乳がんは100%治らない、という事は間違い。」である事が分かるかと思います。
これだけは言えます。
乳がんの遠隔転移は絶対に治らない、と言うことは決してありません。
追)私は転移個数、転移臓器数に関わらず、転移乳がんは治る可能性がある、と考えていますが、それについてはいつか話せたらと思います。