こんばんは、はるとです。

 

きょうは、面接の話をひとつ。

 

だれもが一度は聞かれる、あの質問についてです。

 

 

「前の会社は、どうして辞められたんですか」

 

この質問の前で、多くの人が固まります。

 

私は採用する側にいた時期があって、いまは送り出す側にいます。

 

両方から見てきて、はっきり言えることがひとつあるんです。

 

この質問で落ちる人は、本音を言ったから落ちているのではありません。

 

 

世の中では、こう言われていますよね。

 

不満は言うな。

前向きに言い換えろ。

人間関係を理由にするな。

 

だから、多くの人がこう答えます。

 

「新しい環境で、さらに成長したいと思いまして」

 

 

……面接官の側から見ると、この答え、印象に残らないんです。

 

もっと言うと、少し身構えます。

 

理由を、3つに分けてお話ししますね。

 

 

ひとつ目。

 

辞めた理由と、入りたい理由は、裏表だからです。

 

前の会社に何もなかったのなら、なぜ出るのか。

 

不満をきれいに消すと、志望動機だけが行き場をなくして浮いてしまうんです。

 

「うちでなくてもいいですよね」と思われるのは、この瞬間なんです。

 

 

ふたつ目。

 

面接官が確かめたいのは、不満があったかどうかじゃないんです。

 

同じことが、うちでも起きるか。

 

見ているのは、それだけです。

 

だから「上司と合わなかった」で終わると、危ない答えになります。

 

うちでも合わない上司がいたら、また辞めるのかな。

 

そう読まれてしまうからです。

 

 

みっつ目。

 

言い換えを重ねるほど、具体性が消えます。

 

成長。

挑戦。

自己実現。

 

どれも悪い言葉ではありませんが、誰にでも言えますよね。

 

面接官は一日に何人も会います。

 

輪郭のない話は、部屋を出た時点で残っていません。

 

 

では、通る人は何が違うのか。

 

私が見てきた限り、順番が違うだけでした。

 

事実を、短く言う。

自分がやってみたことを、ひとつ添える。

だから次は、こういう場所で働きたいと結ぶ。

 

この3つです。

 

 

たとえば、残業が理由の人。

 

まずは、事実から。

 

「月の残業が100時間を超える時期が続いていました」

 

数字は、正直に言っていいんです。

 

盛らない代わりに、隠さない。

 

 

次に、自分がやったことをひとつ。

 

「工程の順番を変える提案をして、一部は通りました。

ただ、人員の問題までは変えられませんでした」

 

ここが、いちばん効きます。

 

環境のせいにして終わらせていない人だと、この一文だけで伝わるからです。

 

面接官が怖いのは、不満そのものではありません。

 

不満を、ただ持って帰ってくる人なんです。

 

 

最後に、次の話へ渡します。

 

「改善が評価される場所で、続けて働きたいと思っています」

 

これで終わり。

 

長さは、30秒くらいで足ります。

 

 

同じ人の答えを、並べてみますね。

 

言い換えすぎた版は、こうでした。

 

「もっと成長できる環境を求めて、転職を考えました」

 

順番を直した版は、こうです。

 

「月100時間を超える残業が続いていました。

工程を変える提案をして一部は通りましたが、人員までは変えられませんでした。

改善が届く規模の会社で働きたいと思っています」

 

内容は、どちらも同じなんです。

 

違うのは、後者には事実と行動が入っていることだけ。

 

 

逆に、避けたほうがいいこともあります。

 

ひとつは、恨みの温度です。

 

内容が事実でも、言い方に熱がこもると、聞く側の想像が先に走ります。

 

「うちの悪口も、どこかで言うのかな」

 

面接官の頭に浮かぶのは、そんな絵なんです。

 

 

もうひとつは、長さ。

 

つらかった話は、話すほど記憶がよみがえって、長くなります。

 

私は面談で、よくこう言います。

 

「短く言えるようになったら、それは整理できた証拠です」

 

 

あと、用意しておくといいものがあります。

 

二の矢です。

 

こちらが短く答えると、たいてい面接官は、そこからもう一歩を突いてきます。

 

「その提案は、どこまで通ったんですか」

「上司には、相談されましたか」

 

意地悪で聞いているわけではありません。

 

目の前の人が、どこまで自分で動けるのかを確かめているだけなんです。

 

聞かれてから考えなくて済むように、

具体例をひとつだけ、頭の引き出しに置いておく。

 

それで足ります。

 

 

パワハラや、体を壊した経験がある人も、同じ順番で大丈夫ですよ。

 

事実を短く。

やってみたことをひとつ。

次に求める環境を、一言。

 

診断名や、細かい経緯まで話す必要はありません。

 

面接は、裁判ではないからです。

 

証明する場ではなく、これから一緒に働けるかを見る場ですから。

 

 

ひとつだけ、正直に書いておきますね。

 

この順番で話しても、落ちる会社はあります。

 

事実を言った時点で、顔色が変わる会社も実際にあります。

 

でも私は、それでいいと思っています。

 

残業100時間を聞いて眉をひそめる会社と、

同じ話に「うちは何時間です」と、数字で返してくる会社。

 

後者を選べたほうが、入ってからが楽だからです。

 

 

面接は、選ばれる場だと思われがちです。

 

でも、退職理由を話す数十秒は、

こちらが相手を見ている時間でもあるんですよ。

 

次の面接で、この質問が来たとき。

 

あなたは、何を短く言いますか。

 

では、また明日。

 

 

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【今日のブログのおまけ】

退職理由の伝え方と面接対策は、私が本業で運営しているサイトにまとめています。

 

元面接官として、転職サービスを実名で辛口レビューしています。

よかったら、のぞいてみてくださいね。

 

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