第六話 「日本人最強決定戦開催へ…」
8月のK-1大阪大会「ジェロム・レバンナVSスタン・ハンセン」戦に向けて、早くもスタン・ハンセンが成田に降り立った。
プロレス・格闘技ファン以外の注目も集める一戦であることを象徴するかのように、多くのマスコミ記者たちが集まった。
ハンセンが姿を現すと同時に、降り注ぐフラッシュの数々。
ひとりの記者がマイクを向ける。
「ミスター・ハンセン、あなたにとっては初のキックボクシング、または総合格闘技の試合になりますが、何か専門的な練習はしたのですか?」
ハンセンは、その質問に眼光鋭く言い放った。
「キックだろうが、総合だろうが、そんなものに対して特別な練習などしていない!」
どよめく記者たち。
さらに質問は続く。
「ウエスタン・ラリアットでレバンナをKOですか?」
立ち止まるハンセン。
「ラリアットを出すまでもないだろう。レスラーの本当の強さを見せてやるさ!」
その言葉を残し、ハンセンはタクシーに乗り込んだ。
「みんな、出てきてくれ!」
秋山戦の熱気冷めやらぬ横浜アリーナに、前田の言葉が鳴り響いた。
前田のその号令のもと、二箇所の選手入場口から、次々に男たちが集まってきた。
ビッグバン・ベイダーをKOし、今や日本人最強の呼び声も高い高田延彦。
ZERO-ONEを旗揚げし、日本人エースにのし上がった橋本真也。
グレイシー一族を連破し、勢いに乗る桜庭和志。
維新軍を結成し、日本中を席巻する長州力。
K-1アレクセイ・イグナショフを撃破し、さらに新日本の頂点を狙う中邑真輔 。
格闘技史上に残る名勝負を繰り広げたバス・ルッテン戦で改めて格闘技への天賦の才を発揮した船木誠勝。
プロレス界の絶対王者・小橋建太。
影の実力者、テロリスト・藤原喜明。
人類最強と謳われたマーク・ケアーを撃破し、日本人最強と称される藤田和之。
彼もまた最強か!三冠王者・天龍源一郎。
世界の荒鷲・坂口征二。
そして最後に入場してきたのが、ハッスル・小川直也。
驚天動地の光景に、歓声ではなく、ざわめきが鳴り止まない横浜アリーナ。
たった今死闘を終えたばかりの前田の待つリングに、次々に乗り込む十二人の戦士たち。
「小橋!?」
モニターに映る小橋の姿に驚きを隠せない三沢がいた。
秋山のみならず、小橋までもがリングスのリングに登場するとは…!?
ここで前田が再びマイクを握った。
「実は一年ほど前から、ここに集まった選手たちに対して事前交渉を行なってきました。」
盛り上がる横浜アリーナ1万2000人の大観衆。
前田は続ける。
「プロレスや格闘技…、興行形態をとっている以上、それぞれが属している団体の運営が最優先されることは十分に理解しています。
しかし…」
汗を拭う前田日明。
さらに盛り上がる横浜アリーナ。
「しかし、その前に、俺たちは戦うために生まれてきたんです!」
一気に湧き上がる観衆たち。
「日本人のなかで一番強いのは誰なのか?純粋にその答えを求めて、そのことに賛同してくれた勇気ある男たちが、今ここに集まってくれました。」
そして、リングアナウンサーがマイクをとった。
「これは前田日明だけの願いではありません。全てのプロレスラー、全ての格闘家の悲願であります。
未だ交渉中の団体・選手もおりますが、どうかここに集まった選手たちの“思い”を汲み取ってやってください。」
“未だ交渉中”の三沢に対するメッセージか?
さらに、館内中に響き渡るほどの大音声が鳴り響いた。
「9月、日本人最強決定戦を開催いたします!」
その瞬間、横浜アリーナは興奮の坩堝と化した。
前田・秋山を含めた14人の戦士たちが、「日本人最強」の座をかけて雌雄を決する。
「日本人最強決定戦」
その名にふさわしい戦士たちが、ここに集結した。
第七話 「ジェロム・レバンナVSスタン・ハンセン」 に続く…
体重別について…
「歴史上最強格闘家決定戦」というこのブログを書いていて、ひとつ悩んでいることがある。
それは、体重別をどのようにとらえるかってこと。
だって、最近はKIDとか魔さ人とか五味とか、軽量級の選手が多いからね~。
日本に限って言えば、どちらかというと軽量級にスター選手が多い。
う~~~ん、悩むところだ!!!
一番はじめのPRIDEグランプリみたいに、体重別を念頭に置かないで考えるか、まずはヘビー級だけの大会を開催して、その後に軽量級を開催するとか…。
まあその前に早く大会を開催させろよ!という声も聞こえてきそうだけど(苦笑)。
仮に無差別級にしたら、どう考えても体重の思いやつが強いでしょ。
基本は無差別級にしといて、ヘビー級のなかでKIDとかが活躍するのも面白いかも♪
みんなの意見も聞かせてね~。
来週は第六話書きまっせ!!!
第五話 「日本人最強」
横浜アリーナは熱狂の渦に巻き込まれていた。
「リングス・前田日明 VS NOAH・秋山準」
この試合が、これほどの名勝負になろうとは…。
第一次UWFが新日本プロレスに吸収された時代の「前田日明VS藤波辰爾」を凌ぐほどの好勝負。
久しぶりに見た前田対純プロレスラーの接触は、予想を大きく覆すほどに噛み合った。
秋山のその格闘センスに、ことごとく得意のキック・関節技をクリアされる前田。
披露の表情が見える。
一方、秋山はプロレスで培った無尽蔵のスタミナが切れることなく、鋭い攻めを見せていく。
試合は10分を超えた。
攻め疲れの見える前田に対して、この試合初めてのロープワークを駆使し、その反動で強烈なジャンピングニーを突き刺した。
疲労のない前田ならかわせたものの、片膝をついている前田はそれをまともにくらってしまった。
リングスでは滅多に見られない光景。
前田が大きくダウンを喫した。
コーナーに下がり、前田の状況を見つめる秋山。
レフェリーがカウントをすすめる。
「…セブン、エイト、ナイン…」
もはや気力のみで立ち上がった前田。
そこに、再び秋山の膝が飛んできた!
「秋山…準 …か」
吉田秀彦は、既にその試合に魅了されている自分に気付いていた。
そして、秋山のその総合格闘技にはない立体的で華麗な技のひとつひとつを分析するかのように見つめ続けた。
もはや余力の残っていない前田に対する強烈無比な低空ジャンピングニーが繰り出されたその瞬間。
ここに前田の格闘家としての本能ともいうべき切り返しが繰り出された。
若き日から得意技としていた縦回転のニールキックが火を噴いたのだ。
ジャンピングニーで勢いをつけていた分、ニールキックの威力は倍増し、秋山の顔面をまともに捕らえた。
受け身も取れず、斜めからマットにたたきつけられる秋山。
カウントを数える前に、即座にレフェリーが試合を止めた。
地獄の淵から生還したのは…
前田だった。
そのあまりの壮絶な幕切れに、熱狂渦巻く横浜アリーナ。
前田とともに、秋山に対しても熱い声援を送り続ける1万2000人の観衆たち。
しばらくしても、立ち上がることさえできない両者。
その後秋山は担架で運ばれ、壮絶な試合の印象をさらに強めた。
そして、5分後ようやく前田が立ち上がった。
若手に肩をあずけながら、再び前田がマイクを要請した。
さらに声援渦巻く観衆。
「みなさん、秋山選手に拍手をお願いします」
秋山に対する労いの言葉とともに沸き起こる秋山コール。
「この試合で確信しました。私が理想とする闘い、大会の開催…」
鳴り止まない声援に、少し前田の声が聞き取りにくい。
「日本人最強を決める大会…の開催…」
熱い声援から次第にざわめきに変わっていく横浜アリーナの観客たち。
「みんな、出てきてくれ!」
前田が声を大にして叫んだ。
そして、この前田の大号令のもと、横浜アリーナに集まった観衆たちは衝撃的なシーンを見ることになる!
第六話 「日本人最強決定戦開催へ…」 に続く