歴史上最強格闘家決定戦 -7ページ目

第九話 「次は俺だ!」

まるで野獣のようなレバンナのパンチのラッシュ!


その時、下の体勢でありながら、ハンセンは信じられない技を繰り出してきた!




ウエスタン・ラリアットだ!!!


丸太のような豪腕がレバンナのこめかみを巻き込む!


しかし、と同時に、クロスカウンター気味にレバンナもハンセンの顔面に右ストレートを打ち込んでいた。


ラリアットの勢いで大きく横に崩れるレバンナ。


と、その瞬間レフェリーが割って入った。


「ストップ!」


咄嗟にレフェリーは試合を止めた。


ラリアットと同時に放たれた右ストレートにハンセンの意識が飛んでいたのだ。


あまりに壮絶な幕切れ。


1R、4分22秒。


死闘のなかから「勝利」の二文字を掴んだのは、K-1戦士だった。


「勝者!ジェロム・レバンナ!!!」


大阪城ホール1万2000人の大観衆が沸き上がった。


まさしくレバンナらしい壮絶なKO劇であり、まさにハンセンらしい壮絶な執念の瞬間を垣間見た。


歓喜・怒号渦巻く大阪城ホール。


勝者のレバンナも、その姿はまるで敗者のように憔悴しきっている。


勝利者インタビューとして、テレビアナウンサーがレバンナのもとに駆け寄ってきた。


「レバンナ選手、おめでとうございます!」


アナウンサーがレバンナにマイクを寄せた、その瞬間だった!


ハンセンを介抱している数人のプロレス関係者のなかから一人の大男がその存在感を顕にした。


冷めやらぬ大阪城ホールに再び大激震が走る。


その大男は、テレビアナウンサーから強引にマイクを奪うと、静かに口を開いた。


「ミスター・レバンナ …次は俺だ!」


そして、大阪城ホールのビジョンにその大男の姿が映し出された。




伝説の超獣 ブルーザー・ブロディだ!!!




この男の登場をもって、「歴史上最強格闘家決定戦」は大きく進みだすことになる…。




第十話 「ブルーザー・ブロディ始動」 に続く…

第八話 「プロレスラー スタン・ハンセン」

コーナーを背にするハンセンに対し、一方的に間合いを詰めてきたレバンナ。


その圧力に反応するかのように、大振りのパンチを繰り出すハンセン。


しかし、その素人パンチを難なくかわしたレバンナが、的確なジャブを放つ。


慌ててガードするハンセン。


しかし、ガードも構わず、ヘビー級のパンチを浴びせていく。


ガードの隙間から小刻みにパンチが当たっているのがわかる。


しかし、次の瞬間、我々は信じられない光景を目にする!


レバンナのパンチの連打に押されていたハンセンが、やみくもに降り放った豪腕フックがレバンナのあごにヒットしたのだ。


レバンナ、ダウン!!!


そのままハンセンは、倒れたレバンナに鉄拳を浴びせかける。


場内のボルテージが再び沸点に達する。


パンチのプロがレスラーの大振りパンチに倒された。


それでも意識がはっきりとしているレバンナは、慌ててハンセンの首を抱きかかえて、体を密着させた。


ガードポジションで上からのパンチを防ぐための常套手段だ。


体を引き離そうとするハンセン。


ここから両者の動きが硬直した。


レバンナの鉄壁の防御に攻撃を仕掛けられないハンセン。


時間だけが過ぎ、そしてレフェリーがふたりを止めた。


再びスタンドからの試合開始。


立ち技世界最強とも言われるレバンナを相手に、押し気味に試合を進めるプロレスラーの姿に、興奮の渦となるプロレスファン。


一気にハンセン・コールが沸き起こる。


「ファイッ!」


スタンドの状態で再び試合が開始された。


そして、再び間合いを詰めてくるレバンナ。


同じ手は喰わないと、ハンセンが右回りによけようとしたその瞬間、レバンナの左豪腕がハンセンのボディにヒット!


タフで知られるレスラーもこの一撃にたまらず悶絶。


そして、立て続けにレバンナのストレートがハンセンのこめかみにヒットした!


ひとときも目が離せない攻守の入れ替わり。


倒れたハンセンめがけてさらに襲いかかるレバンナ。


意識が遠のくなか、それでも必死にガードするハンセン。


しかし、ガードもろとも打ち抜くレバンナの連打に少しずつパンチを浴びていくハンセン。


レフェリーが、見えにくいハンセンの状態を必死に確認する。


試合終了か…!?


誰もがそう思ったとき、下の体勢でありながらハンセンは信じられない技を繰り出してきた!!!




第九話 「次は俺だ!」 に続く…

第七話 「ジェロム・レバンナVSスタン・ハンセン」

K-1・大阪城ホール大会。


ついにその日を迎えた。


「ジェロム・レバンナVSスタン・ハンセン」


試合一週間前までもめていたルールは、両者納得の上で「総合ルール」が採用された。


しかし、その試合展開は全く予想できないものであり、どちらもパワーファイターであることが、ファン心理をさらにあおった。




先に入場したレバンナは既に臨戦体制。


興奮を隠しきれないのか、シャドーボクシングを繰り返すレバンナの額には大量の汗が噴き出している。


そして運命の遭遇。


レバンナの待つリングに、入場曲「サンライズ」ととも、ハンセンがロープを大きくまたいで乗り込んできた。


「ウィーーーーー!!!」


沸き返る観衆。


Kのリングに響き渡るテキサス・ロングホーンが異様感を増幅させる。


待ちきれないのか、ハンセンに歩み寄るレバンナ。


はやくも戦闘開始を予感させるかのように、両者が胸を押し合ってにらみあう。


大阪城ホールの観衆も一体となって湧き上がる。


慌ててセコンドが割って入り、リング上ははやくも騒然とした空気。


互いに相手を挑発するかのように、言葉を荒げる二人。


なかなかコーナーに戻らない二人に、レフェリーが早くも両者に対してイエローカードを提示してきた。


歓声は五分。


今日ばかりは、プロレスファンも大挙押し寄せているのだろう。


どうにか二人が離れ、いよいよゴングのときを迎えた。


獰猛な二人の接触に、二人と同様に興奮状態にある観衆。


ボルテージはマックスだ。


運命の決戦。


ついに試合開始のゴングが打ち鳴らされた。


と同時に、突っ込むハンセン。


まるでウエスタン・ラリアットかのような大振りの右ストレートで突っ込んできた。


立ち技では一日の長があるレバンナはそれをあっさりとかわすが、そのまま体を浴びせかけてきたハンセンもろともテイクダウン。


倒れた勢いで体を反転させたレバンナが上になった。


両者のファイトスタイルから当然であるが、関節を極めることなど頭にはない。


下のハンセンめがけ、ヘビー級のパンチを振り下ろしていくレバンナ。


しかし、ハンセンはノーガードのまま、逆にパンチを打ち上げていく。


圧倒的有利な上のポジションをとったレバンナのパンチが的確に二発入った。


ようやく顔をガードするハンセン。


しかし、次の瞬間、パンチにタイミングをあわせて、レバンナの体を横に倒した。


立ち上がる両者。


一気に湧き上がる大阪城ホール1万2000人の観衆。


「ウィーーーーー!!!」


興奮を隠しきれないのか、ハンセンが再びロングホーンを発する。


このわずかな接触で感じとったのだろう。


なんと戦い甲斐のある男なのだろうか。


口元に笑みを浮かべつつ、レバンナが間合いを詰めてきた!




第八話 「プロレスラー スタン・ハンセン」 に続く…