その日は突然訪れた | アラフォー親父のわんこ生活

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元々、愛娘と愛犬2頭の4人家族であったが、2024年1月に愛娘が22歳で急死。翌月にはさらにもう一人も・・・。
アラフォー親父が愛犬と過ごす何気ない日々の記録

 

その日は突然訪れた。

 

2023年11月下旬ごろ愛娘は40度を超える高熱が出たため、12月1日に消化器科を専門とする開業医に行った。

 

予約時間の9時30分に伺い、私は医院の駐車場に止めた車の中で娘を待っていた。

 

しかし、10時、11時、12時と時間が経過しても娘は戻ってこない。

 

12時30分になってようやく医院から出てきた娘は強張った表情であったのを今でも鮮明に覚えている。

 

車に戻ってきた娘は、私に「検査したんだけど、先生曰くうちの医院では測りきれない数値が1つあるので、至急大きい病院でCTを撮ってもらってと言われた」と。

 

大きい病院に向かう最中に二人でコンビニへ立ち寄ってパンを軽く食べるも、娘はほとんど食べることができなかった。

娘が食べることができなかった理由は、後ほど分かるのだった。

 

 

大きな病院に到着するなり、娘は血液検査やCTなどを受けた。

 

検査結果が出るまでは1時間程度かかるということで、病院内の待合室でスマホを見ながら楽しんでいた娘と私。

 

1時間程度が経過したころ、そこへ看護師さんが「お父様にお話があります」と寄ってきた。

 

娘を待合室で待たせたまま、私は先生のいる診察室に通されると、数人の看護師さんもぞろぞろと診察室へ入ってきた。

 

 

あの時の光景は今でも忘れることはできないが、先生が開口一番「お父様、落ち着いて聞いてください。娘さんの体の中に大きな腫瘍があることがわかりました。しかもそれは1箇所ではなく数箇所に。腹腔内に大きな腫瘍があるほか、子宮と肝臓にもあることが分かりました。さらに検査をしてみないと分からない部分はありますが、状況は大変厳しいです」と。

 

あまりにも急な話であったため、何が起きているのか、意識が朦朧としてしまったことを覚えている。

 

 

その後、娘にも話をしないといけないということで、待合室で待っていた娘のところに私が行き、娘の手を握りながら伝えた。

「先生から話があったけれど、落ち着いて聞いてね。お腹の中にとても大きな腫瘍があることが分かった。突然のことでビックリしたと思うけれど、お父さんがずっとそばにいるから大丈夫。一緒に先生のお話を聞こう」

 

それを聞いた娘の口からは、「そうか・・・」という言葉が漏れた。

何か娘自身は予期していたかのように私の目には映った。

 

 

そして診察室に入り、先生の話を聞いていた娘の表情はなぜかとても落ち着いているようだった。

先生から告げられた現時点での病名は「腹腔内腫瘤」というものであった。

 

いずれにしても詳しい検査を行いたいとのことであったが金曜日であったため、先生や看護師さんからは「今日から入院して、週明けに検査しようか」と勧められたが、娘は「一旦うちに帰ります」と言った。

 

その娘の言葉から、私は何か覚悟しているようにも感じ取った。

 

長い長い12月1日は、こうして過ぎていった。